〜 “困った行動”を直すのではなく、その行動の奥にある”困っていること”を理解する 〜
【全6回シリーズ・子どもとの関わり方】 第3期 総集編
- 「どうして、こんなことをするの?」
- 「何度言っても、できないのはなぜ?」
- 「ちゃんとしてほしいだけなのに…」
子どもと関わっていると、そんなふうに感じることがあります。
けれど、もしその 困った行動 の奥に、
- 不安
- 見通しの持ちにくさ
- 感覚のつらさ
- 伝わりにくさ
- 疲れ
- 安心できない気持ち
が 隠れていたとしたら…。
大人が「どうして?」と思っていた子どもの行動が、「そうだったんだ」という理解に変わります。
この第3期では、発達特性のある子どもたちの行動を “できる・できない” だけで
判断するのではなく、その背景にある気持ちや困りごとから見つめ直してきました。
👉 結論:子どもを変えることよりも先に、
子どもが安心できる環境を整えることが大切。
- “困った行動” は “困っているサイン”
- 「ちゃんとして」を “何をすればいいのか分かる言葉” に変える
- “こだわりをなくす” のではなく、こだわりが必要になるほどの不安を減らす
- “子どもの行動” には、自分で自分を調整するために必要な行動になっていることがある
- 安心は “甘やかし” ではなく、挑戦するための土台
- 子どもを支えるためには、支える側にも安心できる場所が必要
▶︎ 人は、何歳になっても学び直せます。
私は30年以上現場で指導していますが、子どもに対する見方を間違えていた時期がありました。
今回、あなたにお伝えしたかったこと
今期の6回の記事は、それぞれ別のテーマを取り扱っています。

でも、実はすべてがつながっているんです。
「子どもの行動が気になる」なら
「どうして、こんなことをするの?」と思ったときに、まず考えたいこと。
行動の奥にある「困っているサイン」に目を向けます。
第1回|「困った行動」は「わざと」じゃない

まず考えたいのは、
その行動には、どんな理由があるんだろう? という視点です。
例えば、みんなが座って話を聞いている場面で、一人だけ歩き回ってしまう子がいたとします。
- 「落ち着きがない…」
- 「話を聞く気がない…」
と見れば、その子を注意したくなるでしょう。
でも、
- 話の内容が理解しにくい
- 何をすればいいのか分からない
- 周囲の刺激が多すぎる
- 長時間じっとしていることがつらい
- 次に何が起こるのか分からず不安
という可能性もあるんです。
👉 つまり、その子の行動は “困った行動” ではなく、”困っているサイン” だったのです。

このような視点で子どもの行動を見ると、関わり方にも変化が生まれます。
▶︎ 今期 第1回記事を読む。
▶︎ 次に読んでほしい記事。
👉 “困った行動” の背景が少し見えてきたら、次は「どう伝えるか」を
考えてみましょう。
→ なぜ「ちゃんとして」が苦しいのか? 伝わる声かけとは?
「声をかけても伝わらない」なら

「ちゃんとして…」「早くして!」では伝わりにくい理由と、
子どもに伝わりやすい具体的な声かけを考えます。
第2回|なぜ「ちゃんとして」が苦しいのか?
大人にとって、
- 「ちゃんとして」
- 「普通にして」
- 「静かにして」
という言葉は、普通の簡単な指示に感じます。

しかし、子どもにとっては、「具体的に何をすればいいの?」
という、とても曖昧な指示になっていることがあるんです。
例えば、
- 「ちゃんと並んで!」
と言われたとき、
- どこに立つの?
- 前の人との距離は?
- いつまで待つの?
- 次は何をするの?
- 動いてはいけないの?
という情報が必要な子もいます。そこで…、
- 「ここに立とう」
- 「前の◯◯さんの後ろだよ」
- 「先生が合図したら動こう」

などと、具体的に伝えてください。
それだけで、子どもの負担は変わります。
👉 大切なのは、言うことを聞かせることではなく、伝わる形に変えること。

「ちゃんとして」ではなく、
何をすればいいのか分かる言葉に変えていくことなんです。
▶︎ 今期 第2回記事を読む。
▶︎ 次に読んでほしい記事。
👉 でも、どれだけ分かりやすく伝えても、
「予定そのものが変わること」が不安になる子もいます。
→ 発達特性のある子が「急な変更」に不安になる理由とは?
「予定変更で大変になる」なら

「こだわりが強い」のではなく、
「見通しが持てないこと」が不安につながっています。
第3回|”急な変更” が不安になる理由
急な予定の変更に、強く抵抗する子がいます。
「今日はいつもと違うよ」そう伝えただけなのに、泣いてしまう。
活動を変えようとすると、怒ってしまう。
大人から見ると、
- こだわりが強い
- わがまま
と感じることもあるでしょう。
でも、その子にとってのいつも通りは、安心するための大切な手がかりなんです。
例えば、「今日は体育館ではなく教室で活動します」と突然言われるより、
- 「今日は体育館がお休みです」
- 「最初は教室で○○をします」
- 「そのあと△△をします」

と、「何が変わるのか」だけでなく、「その後どうなるのか」まで伝える。
それだけでも、見通しを持ちやすくなります。
👉 こだわりをなくす のではなく、こだわりが必要になるほどの不安を減らす。
この視点が大切なんです。
▶︎ 今期 第3回記事を読む。
▶︎ 次に読んでほしい記事。
👉 そして、子どもの「不安」を考えるとき、もう一つ見逃せないのが「感覚」です。
→ 「気にしすぎ」ではなかった。感覚過敏・感覚探求から見える子どもの世界とは?
「音・光・服などを嫌がる」なら

「気にしすぎ」と思っていた行動の背景に、
感覚のつらさが隠れていることがあります。
第4回|”気にしすぎ” ではなかった
子どもの中には、
- 音が苦手
- 服のタグを嫌がる
- 人混みに入れない
- 特定の食感を嫌がる
- まぶしい場所を嫌がる
という子がいます。
大人には気にならない刺激でも、
その子にとっては、とても強い刺激になっていることがあります。
例えば体育館。大人から見ると、ただの体育館です。
しかし子どもにとっては、
- 大きな音
- 反響する声
- まぶしい照明
- たくさんの人の動き
- ボールの音
- 床の感触
- におい

さまざまな刺激が一度に入ってくる場所なんです。
👉 だから、「どうして入らないの?」ではなく、
「この子には、今どんな刺激が入っているんだろう?」と考えてみること。

すると、”気にしすぎ” だった行動が、
刺激が強すぎてつらかったのかもしれないという理解に変わります。
感覚過敏だけではありません。
- 動き回る
- 物を触り続ける
- 強く押す
- 回り続ける
👉 自分から刺激を求める “感覚探求” が見られる子もいます。
これも落ち着きがないという一言では片づけられません。

子どもの行動には、
その子が自分を調整するための方法になっていることがあるからです。
▶︎ 今期 第4回記事を読む。
▶︎ 次に読んでほしい記事。
👉 「安心できる環境」が整ってくると、子どもはどう変わっていくのでしょうか?
→ 「できるから安心する」のではなかった。子どもは安心すると挑戦できる!
「できるのに、やらない」なら

「やる気がない」のではなく、
安心して挑戦できる状態になっているかを考えます。
第5回|子どもは “安心する” と挑戦できる
ここまでの記事を読んでくださったあなたに、ぜひ伝えたいことがあります。
それは、子どもは、”できるようになったから安心する”、だけではないということ。
👉 むしろ、“安心できたから、やってみようと思える” んです。

例えば、新しい運動に挑戦するときに、
「早くやってみよう!」と背中を押すよりも…、
- 「見ているだけでもいいよ」
- 「先生と一緒にやってみようか?」
- 「ここまでならできそう?」
と伝えてください。
すると、やってみても大丈夫という感覚 が子どもの中に生まれます。
- 安心は、甘やかし ではありません
- 安心は、挑戦するための土台 です
👉 できるようにすることを急ぐのではなく、失敗しても大丈夫と思える
環境をつくること。
そこから、子どもの小さな一歩が始まるんですね。
▶︎ 今期 5回記事を読む。
▶︎ 次に読んでほしい記事。
👉 では、その “安心“ をつくる大人自身は、”安心できている” でしょうか?
→ ひとりで頑張り続けなくていい。発達特性のある子どもを育てる保護者へ伝えたいこと。
「保護者自身が疲れている」なら

子どもを支える保護者自身にも、安心できる場所と支えてくれる人が必要です。
第6回|そして、支える大人にも “安心” が必要
ここで、最後に大切なことがあります。
👉 それは、子どもを支える保護者や大人自身も、ひとりで頑張り続けなくていい
ということです。
子どものことを一生懸命考えているからこそ、
- 「私の関わり方が悪いのかな…」
- 「もっと頑張らないと…」
- 「どうしてうまくいかないんだろう…」
と、自分を責めてしまうことがあります。

でも、子どもを支えるためには、支える側にも安心できる場所が必要なんです。
- 誰かに相談すること
- 一緒に考えてもらうこと
- 「今日はうまくいかなかった」と話すこと
それは、弱さではありません。

子どもを大切にするための、大切な力なんです。
▶︎ 今期 第6回記事を読む。
▶︎ 次に読んでほしい記事。
ここまで第3期を読んでくださった方へ…。

子どもの「困った行動」から始まり、声かけ、見通し、感覚、挑戦、
そして保護者自身の安心まで、6回を通してお伝えしてきました。
→ 第3期 総集編「どうして?」が「そうだったんだ」に変わるとき。
6回を通して見えてくる “一つの答え”
第1回から第6回までを振り返ると、
第1回・「困った行動」→ 理解する
第2回・「声かけ」→ 伝える
第3回・「予定変更」→ 見通しをつくる
第4回・「感覚過敏」→ 刺激を整える
第5回・「挑戦」→ 安心して挑戦する
第6回・「保護者」→ 支える人も支えられる
と、一見すると、違うテーマに見えます。
しかし、その根っこには一つの考えがあります。
👉 それは、”正しくさせる” より “安心できる環境を整える” ということです。
- 「どうしてできないの?」と考える前に、
→「何が難しいのかな?」と考える。 - 「どうして言うことを聞かないの?」ではなく、
→「何が伝わりにくいのかな?」と考える。 - 「どうして嫌がるの?」ではなく、
→「何が不安なのかな?」と考える。 - 「どうして挑戦しないの?」ではなく、
→「安心して挑戦できる状態かな?」と考える。

この視点の変化が、子どもとの関係を変えていくんですね。
こんなときに、6つの視点を思い出してください
子どもとの関わりで困ったとき、すべてを解決しようとしなくても大丈夫です。

まずは、次の6つの視点から一つだけ考えてみてください。
Q:「わざと?」と思ったら
→ 困っているサインではないか?
Q:「ちゃんとして」と言いたくなったら
→ 何をすればいいのか、具体的に伝わっているか?
Q:予定変更で混乱したら
→ これから何が起こるのか、見通しを持てているか?
Q:”気にしすぎ” と感じたら
→ 大人には分からない刺激を受けていないか?
Q:”やる気がない” と感じたら
→ 安心して挑戦できる状態になっているか?
Q:「もっと頑張らなければ」と思ったら
→ 支える大人自身も、誰かに支えてもらえているか?

全部できなくても構いません。
一つの見方が変わるだけでも、子どもへの関わり方は変わっていきます。
私自身も、「分かっているつもり」でした
私は30年以上にわたって、4歳児から高齢の方まで、
運動の楽しさや体を動かす大切さを伝える仕事を続けています。
それでも、「早く並んで!」と強い言葉をかけてしまったことがあります。
そのときその子は、動くことができなくなりました。
私は、「早くしてほしい」と思っていました。
でもその子にとっては、どうしたらいいのか分からない という状況だったんです。
その経験は、私自身の指導を見つめ直すきっかけになりました。
▶︎ ここから、私の指導は大きく変わっていきました。そのきっかけとなった話です。

指導とは、正しく導くことだけではない。安心を整えることでもある。
そのように考えるようになりました。
だから今の私は、
- 叱るより、待つ
- 導くより、支える
- 正しさより、安心
という言葉を大切にしています。
▶︎ 関連する内容として、こちらもおすすめです。
“できない子” ではなく “安心できる方法を探している子”
子どもの行動を見ていると、できない という部分に目が向いてしまうことがあります。

でも、その行動を別の角度から見てみると、
まだ安心できる方法を見つけられていないだけなんです。
- 並べない
- 話を聞けない
- 予定変更が苦手
- 音が苦手
- 新しいことに挑戦できない
それらを一つひとつ、「なぜ?」と責めるのではなく、
「この子にとって、何が必要なんだろう?」と考えてみてください。

すると、問題を直すという関わりから、
困っていることを一緒に減らすという関わり方へ変わっていきます。
この第3期を読んでくださったあなたへ
もし今、「どうしてうちの子だけ…」「私の育て方が悪いのかな…」と悩んでいるあなた、
どうか一人で抱え込まないでください。
👉 子育てに完璧な正解はありません。
「うまくいかない日があってもいい…」「子どもに強く言ってしまう日があってもいい…」
あとから「あのときは、少し違う伝え方ができたかもしれない」と、思うことがあってもいい。
👉 大切なのは、昨日より少しだけ、子どもの見え方が変わること。
そして、「この子は何に困っているんだろう?」と、一緒に考えてくれる人がいることです。
支援につながることや、誰かに相談することは、決してできないから助けてもらうのではありません。

子どもと保護者が安心して歩いていくために、一緒に考えてくれる人を増やすこと。
それも大切な支援の一つなんです。
「どうして?」が「そうだったんだ」に変わるとき
子どもの行動が、すぐに変わるとは限りません。声かけを変えても、うまくいかない日もあります。
環境を整えても、泣いてしまうことがあります。
安心できるように待ってても、挑戦しない日もあります。
それでも、「どうしてできないの?」から、「何が難しいのかな?」と考える。
「わがままなのかな?」から、「何か困っているのかな?」と考える。
そして、「もっと頑張らせないと」から、「安心してできる方法を一緒に探そう」と、
大人の見方 (視点) が変わることで、子どもとの時間が少しずつ変わっていきます。
👉 今期一番お伝えしたかったのは、子どもを変えることではありません。
子どもを見る私たち (大人) の視点 を、少しでも変えてみることだったんです。
「どうして?」が、「そうだったんだ」に変わる。
その瞬間から、子どもとの関係には新しい可能性が生まれます。
あなたは今、何に悩んでいますか?
「うちの子は落ち着きがない…」
第1回・【発達特性の理解】「困った行動」は「わざと」じゃない
https://www.yocchanblog.com/daisanichi/
「何回言っても言葉が伝わらない…」
第2回・【発達特性の理解】なぜ「ちゃんとして」が苦しいのか?伝わる声かけとは
https://www.yocchanblog.com/daisanni/
「そんなに予定の変更が嫌なの…?」
第3回・発達特性のある子が「急な変更」に不安になる理由
https://www.yocchanblog.com/daisansan/
「音や服が苦手って、大げさでしょう…」
第4回・「気にしすぎ」ではなかった|感覚過敏・感覚探求から見える子どもの世界
https://www.yocchanblog.com/daisanyon/
「やる気がなく、挑戦しない…」
第5回・「できるから安心する」のではなかった|子どもは安心すると挑戦できる
https://www.yocchanblog.com/daisango/
「私も頑張っているのに、報われない…」
第6回・ひとりで頑張り続けなくていい|発達特性のある子どもを育てる保護者へ伝えたいこと
https://www.yocchanblog.com/daisanroku/

今日だけではなく、また苦しくなった日に読みに来てください。
子育ては、一度読んだから終わりではありません。
苦しい日は何度でもやってきます。
そんな日にこの記事が、あなたの心を少しでも休ませる場所になれたなら、
これ以上うれしいことはありません。
最後に
👉 子どもを理解することは、子どもを特別扱いすることではありません。
その子が困っていることに気づき、
その子に伝わる方法を探し、その子が安心できる環境を一緒につくっていくこと。

そして、それは保護者だけの役割でも、指導者だけの役割でもありません。
子どもを取り巻く大人が、一緒に考えていくこと。
その輪が少しずつ広がれば、“できないから困る子” ではなく、
“安心できる方法を一緒に探してもらえる子” が増えていくのではないでしょうか?
👉 この第3期が、子どもの行動に悩んだときに、
もう一度、違う角度から見てみようと思えるきっかけになれば幸いです。
- 正しさより、安心を
- 叱るより、待つ
- 導くより、支える

子どもが安心できる場所が増えることを願っています。

そしてあなたにとっても、安心できる場所が増えますように。
▶︎ 今回の記事のコラムも、ぜひ、あわせて読んでみてください。
この『 よっちゃんブログ 』を通じて、
子どもとの関わり方に悩む保護者の方や、子どもと向き合う指導者の方々と、
学び合い、支え合える場をつくっていけたらうれしいです。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
▶︎ 広告:フリースクール、通信制サポート校も運営をしており、不登校支援、発達障害による学習支援において、専門的な知見を持った対応が可能。

▶︎ 広告:不登校専門個別指導ティントルでは、児童生徒・親御さん両方へ向けたサポートを行っていきます。スタッフも「教育心理カウンセラー」「不登校心理相談士」の資格を持ち、専門的な知識を備えています。

▶︎ 広告:様々な理由から自宅で学習する子どもに対して、安心できる居場所の提供はもちろん、将来の進路選択の際に不登校が不利益になることのないよう、社会的自立や参加を実現するための環境作りに取り組んでいます。

▶︎ 広告:忙しいママにもお手軽にご応募頂けます。

▶︎ 広告:色々な種類のおもちゃに触れさせてあげたいけど高くて買えない…。

▶︎ 広告:果物が好きな方へ。

▶︎ 広告:WEBでいつでもどこでも簡単予約。シェアリングエコノミー型の家事代行サービスです。
お客様からの依頼やスタッフ(弊社ではキャストと呼びます)とのマッチング、支払い、お客様とキャスト相互のコミュニケーションなどはすべてオンラインで完結できます。お客様の大きなメリットは、時間の削減です。

▶︎ 広告:塩分やカロリーに配慮して管理栄養士がレシピからメニューまで設計した”冷凍惣菜”をご自宅まで宅配便でお届けします。買い物や料理の手間を省きたいとき、家族の食事の作り分けが大変なとき、急な不在時にも便利に使えます。

▶︎ 広告:「出産祝いに迷ったらこれ!」












コメント