~ その一言で、子どもは止まってしまうことがある 〜
【全6回シリーズ・子どもとの関わり方】 第1期 第2回
「早くして!」と声をかけた瞬間、子どもが動かなくなった。
そんな経験はありませんか?
指導の現場では、スムーズに進めたい気持ちから、
つい強い口調になってしまうことがあります。
でも、発達特性のある子どもにとっては、
その “強さ” が大きな負担になることがあります。
今回の記事は、私自身の苦い経験をもとに、
“強い声かけのあとに気づいた大切な学び” を3つに整理しました。
現場ですぐに使える声かけや工夫も紹介していますので、
保護者の方や先生方、若い指導者(コーチ)の方へのヒントになれば幸いです。
- “具体的” な言葉や指示で伝えること
- “見通し” を示すこと
- “待つ” こと
▶︎ 今回の記事はシリーズの一部です。全体の考え方をまとめて読みたい方はこちらから👇
▶︎ この記事は、30年以上、4歳児から高齢者まで指導してきた現場経験をもとに書いています。
「早くして!」で、動けなくなった子ども
「早く並んで!」
授業が少し押していて、私はいつもより強い口調で声をかけました。
その瞬間、ひとりの子が、ピタッと動かなくなりました。
目を伏せ、体は固まり、表情もこわばっている。
最初は、「聞いていないのかな?」と思いました。
でも、すぐに気づいたのです。
これは、“動かない” のではなく “動けない” 状態だ と。
なぜ子どもは “固まる” のか?(フリーズ反応)
発達特性のある子どもは、強い声や予測できない変化に対して、
- 驚き
- 不安
- 恐怖
を強く感じることがあります。
その結果起こるのが、”フリーズ反応(固まる反応)” です。
これは、”やる気がない” のではありません。
👉 身体が、危険から身を守ろうとしている自然な反応です。
結論:私が学んだ3つのこと!

この経験から、私の指導の軸が大きく変わりました。
「早く!」は伝わらない
「早くして」
「ちゃんとして」
これらは一見便利ですが、何をすればいいのかが分からない言葉 です。
そこで、こう変えました。
NG → OKの言い換え
❌ 「早くして!」
⭕️ 「あと10秒で並ぼう」
❌ 「ちゃんとして!」
⭕️ 「イスに座ろう」
❌ 「言うこと聞いて!」
⭕️ 「今は先生を見る」
切り替えが苦手な子への声かけ(重要!)
❌ 「もうやめなさい!」
⭕️ 「あと1回で終わり」
⭕️ 「タイマーが鳴ったら終わり」
こだわりが強い子への対応
❌ 「ダメ!」
⭕️ 「今日はここまで」+「明日やろう」
褒め方のコツ(具体的に!)
❌ 抽象的「すごいね!」「えらいね!」
⭕️ 具体的「待てたね!」「一人でできたね!」「最後までやったね!」

行動をそのまま言葉にしてください。
言葉より “見える合図” が伝わる!
👉 子どもは、言葉だけではなく “視覚的な情報で安心する” ことが多いです。
すぐ使える工夫
- 手を叩いたら移動
- 笛が鳴ったら集合
- 順番をホワイトボードに書く
見通しの提示
- 今:ウォーミングアップ
- 次:ランニング
- その後:ボール投げ
成功体験の見える化
- シール
- チェック表

「できた!」が目に見えると、自信につながります。
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“待つこと” は高度な指導技術!
以前の私は、
「早く動かさなきゃ」
「迷惑をかけてしまう」
と焦っていました。
でも今は違います。
👉 待つこと=何もしないこと、ではありません。
圧を下げる関わり方!(具体例)
- 口を閉じる
- 視線を下げる
- 一歩下がる

これだけで、子どもは “安心” します。
立ち位置の工夫!(具体例)
- 正面に立たない
- 斜め後ろに立つ

“見守られている感覚” をつくります。
待つ時間のコツ!
- 心の中で「30秒」
- タイマーを使う

無限に待つ必要はありません。
待てないときの対処!
- 「一緒にやろう」と声をかける
- 環境を変える(場所を移動する)
指導者・保護者が楽になる “視点の転換”
❌ 「早くさせなきゃ…」
⭕️ 「今は学習中」
❌ 「迷惑をかけている…」
⭕️ 「この時間も指導」
👉 この視点の変化が、子どもや、指導者や、保護者自身も守ってくれます。
あの日、私がかけた言葉
私は、深呼吸をしてから近づきました。
「さっき、大きい声出しちゃったね」
「びっくりしたよね」
「大丈夫だよ」
その子は、小さくうなずきました。
その瞬間、私は確信しました。

やり直すことはできる、のだと。
おわりに
「早く並んで!」
あの日の一言は、今でも忘れられません。
でも、あの経験があったからこそ、私は気づくことができました。
👉 その子が安心して動ける環境をつくることが、何よりの “運動指導” なのだと。
焦らず、比べず、待ちながら。
これからも、子どもたち一人ひとりのペースに寄り添っていきたいと思います。
まとめ
- ✔︎ “具体的” な言葉や指示で伝えること
- ✔︎ “見通し” を示すこと
- ✔︎ “待つ” こと
この3つだけで、子どもの動きは大きく変わります。
この続きは、次の記事でさらに深くお伝えします。
次回(第3回)は、
“行動が止まってしまう子ども” に対して、どのように “安心のサイン” を出していくか。
をお話しします。
▶︎ ここまで読んでくださった方には、ぜひ、次の記事も読んでいただきたいです。
最後に:読者へのメッセージ
もし今、
「うまくいかない」
「どう関わればいいかわからない」
そう感じているなら…、
それは、より良い指導に向かっている途中 です。
大丈夫です。
👉 あなたのその悩みは、きっと誰かを支える力になります。
▶︎ この記事のコラムも、ぜひ、あわせて読んでみてください。
今回の内容が、子どもとの関わり方に悩んでいる先生方や若いコーチの方、
また、保護者のみなさんにも、”ほっとする” 温かいヒントになればと思っています。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
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