〜 よっちゃんの ひとことコラム 〜
若い頃の私は、保護者とのやり取りを “報告” だと思っていました。
「今日は出来ました」
「最後まで参加出来ました」
それが仕事だと思っていたのです。
でも、ある日気づきました。
保護者の方が知りたいのは、”出来たかどうか” ではなく、”安心していられたかどうか” だということに。
『 表情を伝えるということ 』
「今日は最後に小さくガッツポーズをしていました」
そう伝えたとき、お母さんが涙ぐまれました。
家では最近、笑顔が少なかったそうです。
あのとき私は理解しました。
成果は一瞬。表情は、その子の “内側の証拠” だと。
発達特性のある子ども(例:自閉スペクトラム症)は、安心できる環境の中でこそ力を出します。
だから私は、出来不出来よりも、”どんな顔をしていたか” を伝えるようになりました。
『 保護者もまた、不安の中にいる 』
「迷惑をかけていませんか?」
この言葉の裏には、
- 申し訳なさ
- 孤立感
- 自責の思い
が隠れています。
私はこう答えます。
「大丈夫です。その子のペースで頑張れています」
心理学では、理解されることで人の緊張が和らぐと言われます。
Daniel Siegel は、情動は “共有” によって安定すると述べています。
子どもだけでなく、保護者の神経もまた、安心を必要としているのです。
『 同じ方向を見る関係へ 』
以前は “報告” でした。
今は “共有” です。
「今日は途中で集中が切れました。でも少し休んだら戻れました」
そう伝えると、保護者の方がおっしゃいました。
「家でも “休んでいい” って言ってみます」
その瞬間、教室と家庭がつながりました。
Murray Bowen の家族システム理論では、子どもは家族というシステムの一部だと述べています。
家庭が安定すれば、子どもも安定する。
だから、私たちは “技術” だけでなく “関係” も育てているのです。
『 指導・支援に悩む、若い(経験の浅い)先生やコーチの方へ 』
成果を出そうとしなくていい。
まずは、
- その子の表情を見ること
- 保護者の不安に耳を傾けること
- 同じ方向を見ようとすること
それだけで、支援は変わります。
指導とは、子どもを伸ばすことではなく、安心の循環をつくることなのかもしれません。


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