第2期 第1回 コラム記事

ひとことコラム

『 怒鳴らなくても、指導はできる 』
〜 よっちゃんの ひとことコラム 〜


指導現場に立つと、
思うようにいかないことばかりです。

列は乱れる。
話は聞いてもらえない。

ふざける子が出ると、空気が崩れる。

経験の浅い頃の私は、
“指導者らしくしなければ” と思うほど、声が強くなっていました。


静かにさせること。
揃えさせること。
やらせること。

それが “指導力” だと信じていたからです。
でもあるとき、気づきました。

強い声で動いた子どもは、

“理解して動いた” のではなく、
“止められて動いた” だけかもしれない、と。


私は特別な方法を学んだわけではありません。

最初にやってみたのは、声のトーンを下げること。
ざわつく教室で、深呼吸をひとつ。

そして低めの声で、「準備できた人から、こっちで待っててね」
それだけでした。

不思議なことに、怒鳴った時よりも、空気が荒れなかったのです。
全員が完璧に動いたわけではありません。でも、関係は崩れなかった。

そこで初めて分かりました。
安心は、技術ではなく、空気で伝わります。


もちろん、毎回うまくいくわけではありません。

「優しく言ったのに伝わらない」
そう思って、また強く言ってしまう日もあります。

ある日、落ち着いてから子どもに聞きました。
「さっきの先生の言い方、どうだった?」

すると、こう返ってきました。
「ちょっとこわかった。でも、すぐやさしくなったから大丈夫だった」

私は救われました。

完璧でなくてもいい。
戻れる指導者であればいい。

若い頃の私は、”失敗しない指導” を目指していました。

でも今は違います。

“関係を修復できる指導” の方が、ずっと大事だと思っています。


「できた」より、「落ち着いてできた」

成功させることよりも、

  • 自分で気持ちを整えられたか
  • もう一度並び直せたか
  • 悔しくても投げ出さなかったか

そこを見るようになりました。

失敗のあと、
深呼吸をして戻ってきた子に、「今の、いいね」。

そう声をかけると、
照れながら、もう一度挑戦します。

育っているのは、”技術だけ” ではありません。

“安心の中で挑戦する力” です。


『 指導、支援に悩む、若い(経験の浅い)先生や保護者の方へ 』

“うまくできなくていい”
“声が強くなってしまう日があってもいい”

大切なのは、気づいたあともう一度やってみること。

怒鳴らなくても伝わる瞬間は必ず訪れます。
その小さな経験が、あなた自身の指導を変えていきます。

指導とは、動きを整える仕事ではなく、
安心の土台を作る仕事なのかもしれません。

焦らなくて大丈夫です。

まずは、声のトーンをひとつ下げることから。
それだけで、現場は少し変わります。


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