“説明を聞けない子”の本当の理由|発達特性のある子どもへの関わり方

生きづらさ

〜 ワーキングメモリの視点から 〜

「今、何をするんだっけ?」
運動指導の現場では、こんな状況に出会うことが多々あります。

説明をしている最中に、

  • 体を動かし始める
  • 周りを見回す
  • 友達に話しかける
  • 別の方向を向いてしまう
よっちゃん
よっちゃん

そして説明が終わると、「今、何をするんだっけ?」と聞いてきます。

そのとき私たちはつい、

  • 「ちゃんと聞いて!」
  • 「今、説明してたでしょう!」

と言いたくなります。けれども、おそらくその子は…、


👉 結論: “聞いていない” のではなく、”聞き続けることが難しい子” です。


そして、その背景の一つにあるのが “ワーキングメモリ” なんです。

👉 ここを知ることで、あなたの子どもを見る視点もかなり深くなります。

8〜13分

▶︎ 人は、何歳になっても学び直せます。
 私は30年以上現場で指導していますが、子どもに対する見方を間違えていた時期がありました。


説明を聞くという行為は、実はとても高度な認知活動なんです。

そのとき子どもは同時進行で、

  • 話を聞く
  • 内容を理解する
  • 順番を覚える
  • 体の動きを想像する
  • 周囲の刺激に注意を取られないようにする

という多くのことを処理しています。

👉 つまり説明を聞くことは、”耳で聞くだけ” ではなく、
  頭の中で情報を一時的に保持し続ける作業でもあります。

ここで働いているのが、”ワーキングメモリ” なんです。


▶︎ もしよければ、こちらの記事も参考にしてみてください。


ワーキングメモリには容量があります。そしてその容量には個人差があります。
容量が小さいと、説明の場面では次のようなことが起こりやすくなります。


話の途中で情報が消える

👉 結論: 説明が長くなると、最初に聞いた内容が頭の中から消えてしまう。


その結果、

  • 最後の部分しか覚えていない
  • 全体の流れが分からない

ということが起こるんです。


言葉と動きを同時に処理出来ない

運動指導ではよく、「ヨーイ、ドン!で走って、コーンを回って戻ってきて、次の人にタッチ」
このような説明があります。

しかしこの説明は、

  • 条件 (ヨーイ、ドンで…)
  • 行動 ① → (走る)
  • 行動 ② → (回る)
  • 行動 ③ → (戻る)
  • 行動 ④ → (タッチ)

という複数の情報 (条件・①〜④) を、同時に保持する必要があります。

つまり、ワーキングメモリの負荷は、かなり大きくなっているんです。


周囲の刺激で情報が消える

👉 運動指導の現場は、子どもにとって “刺激が多い環境” です。

  • ボール
  • 友達の動き
  • 音
  • 先生の声

つまり、注意が一瞬外れるだけで、
頭の中にあった説明が消えてしまうことがあるんです。


▶︎ もしよければ、こちらの記事も参考にしてみてください。


ここで大切なのは、行動の見え方を少し変えることです。

👉 その子は説明を無視しているのではなく、
「説明を頭の中に保持し続けることが難しいんだな」と視点を変えることなんです。


▶︎ 関連する内容として、こちらもおすすめです。


説明は短く区切る!

👉 結論:長い説明より、短い指示を重ねる方が理解しやすい。


例えば、

  1. ここに並ぶ
  2. ヨーイ、ドンで走る
  3. コーンを回る

言葉より “見せる” !

👉 結論:動き方は、視覚情報の方が理解しやすい。


  • 指導者がデモンストレーション
  • 上手な子の見本

たったこれだけで、理解度が大きく変わるんです。


一度やってみる!

説明のあとで「一回やってみよう」と実践してください。

👉 実践したことで、その説明が、子どもの身体に体験として記憶されるからです。


説明は “動く前” にもう一度!

👉 時間が空くと、ワーキングメモリの情報は消えます。


動く直前の、短い再確認が効果的です。


子どもが説明を覚えていないとき、それは、

  • やる気がない
  • 集中していない

ということではなく、“頭の中の作業スペースがいっぱいだった” だけなんです。

👉 子どもが動けないときのその理由を、態度ではなく認知の働きから見てください。
 その視点を持つだけで、指導の言葉や環境が変化していきます。

そしてその変化が、子どもにとっての分かりやすさにつながっていきます。


😊 最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。


▶︎ もしよければ、こちらの記事も参考にしてみてください。


▶︎ ここまで読んでくださった方には、ぜひ次の記事も読んでいただきたいです。


▶︎ 広告:フリースクール、通信制サポート校も運営をしており、不登校支援、発達障害による学習支援において、専門的な知見を持った対応が可能。


▶︎ 広告:買っても子どもがすぐに飽きてしまっては買うのがもったいない。


コメント

タイトルとURLをコピーしました