“叱る指導” から “安心を整える指導” へ

発達の凸凹な子どもたち

〜 30年の現場で見えた子どもが伸びる本質 〜
【全6回シリーズ・子どもとの関わり方】第2期 第6回


正直に言うと、今でも思い出す苦い経験があります。

上手にできない子に対して、強い口調で言ってしまった日のこと。
その子の表情や身体が、ピタッと固まった瞬間 。

あのときの私は、正しいことを言っていました。
でも、その子にとっては、安心を失った瞬間だったんです。

時間は戻りません。

けれど、その “苦い経験” があったからこそ、今の私は “立ち止まれる” ようになりました。

今までに私は、たくさんの子どもたちと向き合ってきました。
そして最近では、次のように感じる場面が増えてきたんです。

「昔の私だったら、きっと叱っていたな…」
この変化こそ、子どもたちが私にくれた 学び だったのです。

“教える立場” でありながら、
“教えられてきた” ことの方がずっと多かったんです。


あなたが、もし今、同じようなことで迷っているなら、
きっと 大丈夫です。

なぜならその迷いは、”次の優しさ“ につながっていくからです。

今回の記事は、私がたどり着いた 指導の本質 を、4つの柱 としてお話しします。

 ✔︎ 結論:この記事を読んで分かること ↓ 
  1. 指導とは 正しさを教える ことではなく 安心を整える こと
  2. 子どもを育てるのは 問い続ける姿勢
  3. 安心 があると 挑戦し、行動範囲が広がる
  4. 成果 ではなく 空気を整える ことが未来をつくる
20〜30分

▶︎ 今回の記事はシリーズの一部です。全体の考え方をまとめて読みたい方はこちら👇


▶︎ 人は、何歳になっても学び直せます。
 私は30年以上現場で指導していますが、子どもに対する見方を間違えていた時期がありました。


👉 結論:正しさより先に、安心がある。


若い頃の私は、「指導 = 正しく導くこと」だと強く信じていました。

  • できないところを直す
  • 形を整える
  • 成果を出す

しかし今なら分かります。

👉 子どもが挑戦するのは、安心しているとき。
  安心が整うと、自然に工夫が生まれ、自分で育ち始めます。


大人の役目は、叱ることでも、急いで導くことでもありません。
安心の場を整えること、なんです。

よっちゃん
よっちゃん

それが、今の私の指導の軸です。


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フォームを直すより、空気を整える

跳び箱の、踏み切りのタイミングが合わない女の子。

若い頃の私は、細かい指示を何度も繰り返し、形を整えることに集中していました。
けれど今は、最初にこのような声をかけています。

「ちょっと緊張してるかな?」

そして

  • 深呼吸
  • 軽いジャンプ遊び
  • 笑顔が戻るのを待つ

すると、ほとんどの子が自然と踏み切りを合わせ始めます。

技術より前に必要だったのは、神経の落ち着きだったのです。


活動に入れない発達特性の子への対応

以前の私は、「今は○○の時間だよ」と促すことが多かったです。
でも今はまず、確認します。

「今日はちょっとしんどい?」

少し隅で休み、落ち着いたら 自分のペースで戻る。
最後にその子は、小さくこう言いました。

「できた…」

全部できたわけじゃない。

でも戻れたことが、その子にとっては大きな成果なんです。


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失敗が続く子への関わり方

昔の私:「集中して!」「ちゃんと見て!」
今の私:「今、ちょっと焦ったかな?」

👉 子どもが 「うん」と言語化した瞬間、動きが落ち着きはじめます。

叱るより、整える。それだけで空気は変わるんです。


子どもが見せた “ほんの小さな変化”

いつも失敗を怖がっている男の子がいました。

ボールを落とすたびに、顔が曇ります。
周りを気にして、どんどん動きが小さくなっていきます。

そのとき私は、次のような声かけをしました。

「落としても大丈夫だよ」ではなく、
「今、ちょっとドキドキしてるね」とだけ伝えました。

しばらくして、その子は小さくつぶやきました。
「…もう一回やっていい?」

その一言は、とても静かで、でも確かな挑戦を感じました。
大きな成功ではありません。でもその瞬間、私は確信しました。

安心は、確実に子どもを前に進ませる、と。


神経系の安定が学びの土台|脳科学

👉 不安や緊張が強いと、脳は防御モードになり、
  思考・判断を担う前頭前野が働きにくくなります。

つまり…、

不安な状態では学びにくく、安心が整うと学びが進むんです。


叱られて動くのは外発的動機|心理学

👉 安心の中で動くと、子どもは自分からやってみたいに切り替わります。

だから、自分で選んだ行動は、長続きするんです。


インクルーシブ教育の視点|環境調整

子どもを変えるのではなく、環境を整えることが優先。

👉 大人(保護者・指導者)の声掛けが変わると、子どもは自然に動き出します。


👉 結論:問い続ける姿勢を持つことが大事。


叱る指導は…、

  • すぐ整う
  • でも萎縮が残る

支える指導は…、

  • 時間がかかる
  • でも 根 が育つ

この違いはすぐには見えませんが、挑戦する力に大きな差を生みます。

👉 いま求められているのは、正す・直す指導よりも、整える・待つ・支える指導です。

これこそ成熟した指導だと確信しています。

👉 完璧な答えを持つことより、問い続ける姿勢のほうが、子どもを育てるんです。


👉 結論:変わったのは “大人のまなざし” です。


子どもは、元々成長する力を持っています。
必要なのは、

  • 正しさより安心
  • 成果より関係
  • 形より空気

大人が視点を変えれば、子どもは自然に伸びていきます。


👉 結論:”見ようとする姿勢” が未来をつくります。


若い指導者の方や、保護者の方と話すと、こうした悩みをよく耳にします。

  • 何度注意しても伝わらない…。
  • どう関わればいいのか分からない…。

そんなとき、私は以下のように伝えています。


若い指導者との実際の対話

ある若い指導者が悩んでいました。
「ふざけてしまう子がいて…、何度言っても同じで…」

一緒に振り返ると分かったのは、

  • 切り替えの瞬間に不安が出やすい
  • 注意すると一瞬止まるが、また戻ってしまう

そこで私は聞きました。
「出来ないのかな? それとも切り替わる瞬間が不安なのかな?」

その若い指導者は、ハッとしたように答えました。
「…不安なのかも、しれません」

翌週、その若い指導者は対応を変えていました。

  • 切り替え前に予告を入れる
  • 次の流れを視覚で提示する
  • 注意より「そわそわしてるね」と言語化する

すると子どもは少しずつ落ち着いていきました。

劇的な変化ではありません。
でも間違いなく空気が変わっていました。

若い指導者は言いました。

👉 「注意を減らしたら、関係がよくなった気がします」


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「分からない」と言えた瞬間

若い指導者が、ぽつりとこう言いました。
「正直、どうしたらいいか分からなかったんです」

その言葉を聞いたとき、私は少し安心しました。
なぜならそれは、投げ出した言葉ではなく、向き合っている人の言葉だったからです。

分からないままでもいい。迷いながらでもいい。

大切なのは、その状態で子どもから目をそらさないこと。

👉 完璧な大人よりも、見続けようとする大人のほうが、子どもを育てるんです。


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  • 行動は 問題 ではなく、困りごとの表出
  • 不安が強いと、脳が 防御モード に入る
  • 安心が整うと、学習モード に切り替わる
  • 大人の姿勢は、場の文化 を作る

だからこそ、

  • 正すことより、気づこうとする こと
  • 叱ることより、支えようとすること

これが、子どもを伸ばす最も根本的な関わり方です。


👉 結論:子どもが “自分で育とうとする力” なんです。


私たちの目標は、

  • できる子にする
  • 失敗しない子にする
  • 指示通りに動く子にする

ではありません。

育てているのは、

  • 迷いながらも自分で進む力
  • 挑戦し続ける力
  • 自分を整える力

これらはすべて、安心の中でこそ育つ力です。

👉 そしてその安心は、まず 大人(指導者・保護者)のまなざしから始まるんです。


最近は地域のイベントや、保護者の方との関わりも増えました。

  • お祭りで偶然顔を合わせた
  • 教室外でも声をかけてもらった
  • 子どもが家での様子を話してくれた

それらを通して再確認します。

  • 安心は、教室の中だけで完結しない
  • 関係の中でめぐり、地域に広がっていく

👉 そしてそのめぐりをつくるのは、丁寧に子どもを見つめようとする大人の姿勢です。


教室の外で見えた “成長の証”

帰り道、偶然その男の子に会いました。

教室では、不安そうな顔をしていた男の子です。
でもその日は、家族の隣で笑っていました。

私に気づくと、大きく手を振ってくれました。

「先生ー!」
その声は、教室で聞く声よりも、少し自信に満ちていました。

その瞬間、思いました。
ああ、この子の中に、私に対する安心感が残っている んだな、と。

👉 指導の成果は、テストや記録には出ないことも多いです。

でもこうして、ふとした日常の中で、突然現れるのだと確信しました。


もし今、迷っているなら

もし今、

  • うまくいかない
  • 伝わらない
  • どう関わればいいか分からない

そんなふうに感じているなら、
それは、あなたが “真剣” に子どもと “向き合っている証“ なんです。

大丈夫です。

  • すぐに答えが出なくてもいい
  • 完璧じゃなくてもいい

ただ一つだけ。

見ようとすることをやめなければ、その関わりは、必ず子どもに届きます。


安心を未来へつないでいく指導へ

  • 正しさより、安心
  • 成果より、空気
  • 指示より、まなざし

指導とは、子どもが自分で育とうとする力を信じることです。

👉 安心を整える大人が増えれば増えるほど、
 子どもたちの挑戦は大きく、しなやかに広がっていきます。

あなたの指導は、必ず誰かの未来を変えます。

👉 そしてその未来は、今日の安心から始まるんです。


  • ✔︎ 指導とは正しさではなく、安心を整えること
  • ✔︎ 子どもを育てるのは、問い続ける姿勢
  • ✔︎ 安心があるから挑戦して、行動範囲が広がる
  • ✔︎ 成果ではなく 空気を整えることが未来をつくる

次回(第2期全6回 まとめ版)は、
これまでの第1〜第6回をひとつの物語としてまとめ直した、“第2期総集編” をお届けします。


▶︎ ここまで読んでくださった方には、ぜひ次の記事も読んでいただきたいです。


▶︎ 今回の記事のコラムも、ぜひ、あわせて読んでみてください。

このブログでは、

現場での気づきや改善の工夫、子どもたちとの温かいやり取りを通して、
“寄り添う指導” のあり方や、”寄り添う関わり方” を考えていきます。


最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。


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