「やってみよう」から始まった “気づきを現場に生かす第一歩”

発達の凸凹な子どもたち


第2シリーズ第1回


こんにちは、よっちゃんです。

私は30年以上にわたり、4歳児から高齢の方々に対して、運動の楽しさや体を動かす大切さを伝えています。

長年の経験を重ねる中で、発達障害やグレーゾーンの子どもへの対応に悩み、 ときに強い口調で接してしまったこともありました。

しかし、”安心を伝える事” が大切だと分かったあと、次に訪れたのは「じゃあ、どうすればいいのだろう?」という戸惑いでした。

気づいたことを “知っている” だけでなく、実際の現場で “出来るようになる” までには、もうひとつの壁があります。

あなたも今、この壁に悩んでいませんか?

そこで今回、『 “やってみる” ことから始めた最初の実践』(重要!)3選 を、お伝えします。

この記事を読んでわかること
  1. 安心は “トーン” だけでも作れる
  2. “でも” が入る経験は、安心を残す
  3. “挑戦” は競争からではなく、安心から生まれる

それでは、具体的な経験談をお話しします。

15〜23分

ある日の運動教室。

子どもたちがざわついていて、列もバラバラ。
以前の私ならすぐに、「静かに!並んで!」と大きな声を出していたでしょう。

でもその日は、一度深呼吸をして、少し低く、穏やかな声でこう言いました。
「準備できた人から、こっちで待っててね。」

たったそれだけのことなのに、ざわつきが少しずつ落ち着いていくのを感じました。
全員がピタッと動いたわけではありません。でも、”怒られた空気” にはならなかった。

その瞬間、”安心は、トーンでも作れるんだ” と実感しました。


発達障害の特性をもつ子どもは、”音や刺激に敏感(聴覚過敏)”であったり、“強い口調=怒られている” と受け取りやすい傾向にあります。

よっちゃん
よっちゃん

そのため “内容” よりも “声の質” に強く反応することがあります。


ルール説明が入らない子!

場面:ボール運動の前に説明をしている

❌ 高めで張った声

「ちゃんと聞いて!今から大事な話するよ!」

運動前はすでに覚醒レベルが上がっています。
そこへ強い声が入ると、

  • 興奮がさらに上がる
  • 注意が散る
  • “怒られた” に意識が向く

結果、話が頭に入らない。


⭕️ トーンを下げる(少し低く、ゆっくり、間を取って)

「今から…ひとつだけ…大事なことを言うよ」

よっちゃん
よっちゃん

声が落ち着くと、空気も落ち着きます。子どもは無意識に “音の高さ” に同調します。

声のボリュームを上げるより、下げる方が集まることがあるんです。


出来なくて固まる子!

場面:跳び箱の前で動けなくなっている子

❌ 励ますつもりの強い声
「大丈夫!いける!ほら、ジャンプ!」

本人の中では、”怖い+注目されている” で処理が追いつかない状態。


⭕️ 低く、近くで(しゃがんで目線を合わせ、少し低い声で)
「怖いよね。ゆっくりでいいよ。」

よっちゃん
よっちゃん

低い声は、”安心、共感、待ってもらえる感覚” を伝えます。

すると、呼吸が整い、自分から一歩出ることがあります。


興奮が止まらない子!

場面:鬼ごっこ後に切り替えられない子

❌ 正論、または説教
「もう終わり!早く並んで!」

さらに、その子のテンションが上がります。


⭕️ トーンを下げる(間を置き、低めで)
「終わり。今は、歩くよ」

よっちゃん
よっちゃん

低い声は、”指示” よりも “合図” として届きやすいのです。


運動指導者として!(重要)

  • 声は “音の刺激”
  • 高い声=覚醒を上げる
  • 低い声=覚醒を下げる
  • 落ち着いてほしい時ほど、トーンを下げる
よっちゃん
よっちゃん

運動指導者は子どもと身体を通して関わるため、技術よりも “場の空気を整える力” が影響を与えます。

実は、指導がうまくいったのではなく “子どもの脳が処理しやすくなった” ということが多いのです。


もちろん、いつも上手くいくわけではありません。

“優しく言ったのに伝わらない” と感じて、また強く言ってしまう日もありました。
でも、そんな日こそ学びがあります。

落ち着いてから子どもに「さっきの先生の言い方、どうだった?」と聞くと、ある子がこんなことを言いました。
「先生、ちょっとこわかった。でもすぐやさしくなったから、大丈夫だった。」

その言葉に、”怖かったけど、戻れた” という安心もあるんだと気づきました。
子どもたちは、私が完璧であることを望んでいない。

“戻ってくれる先生” であれば、それで十分なんだと思えました。


ここにある大事なこと!

今の言葉には、二つの意味があります。

① 「怖かった」と言えたこと
  怖さを感じたことを、安心できる相手に表現できた。

これは、“関係が切れていなかった証拠” です。


② 「でも、大丈夫だった」
  強い声があっても、

  • その後に戻ってきてくれた
  • 優しい声に戻った
  • 見捨てられなかった

子どもの中で “怖くても、関係は壊れない” という経験が残ります。

よっちゃん
よっちゃん

これは、“情緒の安定や対人信頼の土台” になります。


発達特性のある子にとって特に大切な理由!

発達特性をもつ子どもは、

  • 声の変化に敏感
  • 感情の揺れを強く受け取る
  • “怒られた = 嫌われた” と結びつきやすい

だからこそ、”強い口調になってしまった後に、戻れること” が大切なのです。

これは “非常に重要なこと” です!


育っているのは…、実は!

  • 自分の感情を言葉にする力
  • 相手を信頼する力
  • 関係は修復できるという感覚
よっちゃん
よっちゃん

「さっきの言い方どうだった?」と聞いたこと自体が、”指導” ではなく “関係を育てる関わり” になっています。

「怖かった、でも戻れた」
この “でも” が入る経験は、子どもの中に静かな安心を残します。


最近は練習の中で、”うまく出来たか” よりも、”落ち着いて出来たか” を大切に見るようになりました。

失敗しても、自分で気持ちを立て直せたとき、「今の、いいね」と声をかけます。
すると、子どもが照れくさそうに笑って、もう一度チャレンジしてくれることがあります。

“出来る” より、”安心して出来る”。
それが、本当の意味での成長なのかもしれません。


具体例:跳び箱の場面!

何度か挑戦して、足が引っかかり失敗。
周りの子は成功している。以前なら、「もう一回!次はいける!」と “成功” に目を向けていたかもしれません。

でも今は違います。
失敗したあと、子どもが深呼吸をして、少し間を置いて、もう一度並び直しました。

その姿に対して、低く穏やかに「今の、いいね」と言います。
子どもは一瞬きょとんとして、少し照れながら笑います。

褒められたのは “跳べたこと” ではなく、“気持ちを立て直したこと” だったのです。
ここで育っているのは、”技術” ではなく、”自己調整力” と “安心の中での再挑戦” です。

よっちゃん
よっちゃん

すると、不思議と何度も何度も挑戦します。


具体例:ボール投げ!

うまくまとに当たらず、悔しくて顔が曇る子。

ボールを投げ捨てそうになるけれど、ぐっと握り直しました。その瞬間に、「今、自分で戻れたね」と言葉をかけます。

すると子どもは、照れくさそうに「うん」と小さく笑いました。

その笑顔は、”できた喜び” よりも深いものですね!


なぜ “安心して出来る” が大切なのか!

発達特性のある子どもは、

  • 失敗体験が積み重なりやすい
  • 周囲と比べられやすい
  • “できない自分” を強く意識しやすい
よっちゃん
よっちゃん

だからこそ、”成功体験” よりも “安心体験が土台” になります。

  • 「失敗しても大丈夫」
  • 「気持ちは戻せる」
  • 「ここでは急がなくていい」

この感覚があると、挑戦は “怖いもの” ではなくなります!


本当の成長とは!

“出来る” は結果。”安心して出来る” は土台。土台があるから、失敗しても崩れない。

よっちゃん
よっちゃん

我々が見ているのは、子どもの “技術” ではなく、その子の “内側の動き” です。

そして子どもは、”出来たから褒められた” ではなく “自分を見てもらえた” と感じている。
だから照れくさく笑い、もう一度チャレンジする。

それは、競争ではなく、安心から生まれる挑戦。

これが、本当の意味での成長です!


「やってみよう」から始まったこの実践は、まだまだ途上です。
でも、少しずつ現場の空気が変わってきました。

怒鳴らなくても伝わる。待てば動く。そんな小さな奇跡が、あちこちに生まれています。
これからも、試行錯誤を続けながら、”安心を届ける指導” を形にしていきたいと思います。


  • 安心は “声のトーンを下げる” だけで作れる
  • “でも” は、相手を信頼している証拠
  • 安心して出来る土台があるから “挑戦” は生まれる

次回予告(第2回)
“ことばより伝わる空気、場づくりの工夫”。子どもたちが安心して活動できる “空気のデザイン” についてお話しします。


このブログでは、現場での気づきや改善の工夫、子どもたちとの温かいやり取りを通して、”寄り添う指導” のあり方を考えていきます。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。


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