〜 「やる気がない」のではなかった。子どもが動き出せる “安心” という力 〜
【全6回シリーズ・子どもとの関わり方】第3期 第5回
👉 見えていた行動(大人の視点)が変わると、子どもとの関わり方も変わります。
そして、関わり方が変わると、子どもは少しずつ変わり始めます。
「どうして、この子は動こうとしないんだろう?」
そんなふうに感じて、
- 「頑張ればできるはず!」
- 「やる気を出して!」
- 「一歩踏み出してごらん!」
と、励ましの言葉のつもりで、子どもに声を掛けたことはありませんか?
そしてその直後に、
- 「また、怒っちゃった…」
- 「今日こそ笑顔で送り出したかったのに…」
- 「こんな先生(お母さん)でごめんね…」
と、自己嫌悪に陥ってしまう優しい先生や保護者の方が、たくさんいらっしゃると思います。
私も昔は、
- 「早くしなさい!」
- 「何やってんの!」
- 「みんな待ってるよ!」
と言っていました。
そしてあの日、私の前で固まったあの子を見て、初めて 動けない理由があること を知りました。
▶︎ もしよければ、こちらの記事がそのきっかけとなった話です。
でもそのとき動けなかったその子が、安心できた瞬間、自分から一歩を踏み出せたんです。
その姿を見て、私は 確信しました。
👉 結論:子どもは、できるようになったから “安心する” のではなく、
安心できたからこそ、”挑戦できる” のだ、と。
この記事では、子どもが動けない理由 を “やる気” だけで片づけずに、
- 安心感
- 信頼関係
- 自己調整力
とのつながりで分かりやすく解説します。
また、保護者の方や指導者の方にとって、今日から実践できる具体的な関わり方もご紹介します。
- 安心 があると子どもは挑戦を始める
- 安心 と 甘やかし はまったく違う
- 信頼関係が子どもの 自己調整力 を育てる
まず、ここで一度、張り詰めた肩の力を抜いて、
そして、子どもの “やる気のなさそう” に見える態度の裏側を覗いてみましょう。
▶︎ この記事は、30年以上、4歳児から高齢者まで指導してきた現場経験をもとに書いています。
“やる気がない” のではなく “安心できていない”
学校の教室で、あるいは自宅の机の前で、何度声をかけても動こうとしない子ども。
そんな姿を見ると、私たちはつい
- 「いい加減にしなさい!」
- 「やる気がないならやめなさい!」
と声を荒らげてしまうことがありますよね。
でも、どうか 自分を責めないで ください。
👉 大人が声を荒げてしまうのは、
あなたが冷たいからでも、指導力がないからでもありません。
「この子の将来のために、今なんとかしてあげなきゃいけない」と、

あなたが 誰よりも必死で、真剣に向き合っている証拠だから です。
「頑張って!」が届かない子どもたち
- 「あとちょっとだから、頑張って!」
- 「やればできるんだから、もうひと踏ん張りがんばろう!」
私たちは子どもの可能性を 信じているから こそ、
そして、ここで諦めたら 子ども自身が後悔すること を知っているからこそ、
応援の気持ち を込めて「頑張って」という言葉を贈ります。
その 言葉の根底 にあるのは、間違いなく子どもへの 深い愛情 です。
👉 しかし、なぜかその愛情のこもった言葉が子どもに届かず、
逆に子どもがパニックになったり、
涙を流してふさぎ込んでしまったりするときがあるんです。
⚫︎ 大人の声かけ:「あと少しだから頑張って!」
(心の中):「ここでやめたら、また明日最初からやり直しになってお互いしんどい…!」
「だから今、やってほしい…!
⚫︎ 子どもの内面:「もう頭も体も限界までフル回転させて戦っているのに…」
「これ以上どう頑張ればいいの?」
「今の私のままじゃ、ダメなのかな…」
その子にとって「頑張って」という言葉は、
「今のあなたのままではダメだから、もっと無理をしなさい」
と言われているように聞こえてしまいます。
エネルギーが切れかかっているスマホに向かって「もっと動いて!」
と言っても充電は増えません。
👉 「頑張って」が届かないのは、心がすでに消耗しているからなんです。
必要なのは、これ以上頑張らせることではなく、
- 「できなくても大丈夫」
- 「そのままのあなたで大好きだよ」
という、心の充電(=安心感) なんですね。
「頑張って!」は、エネルギーがある子には応援になります。

でも、エネルギーが切れている子 には、妨害 に聞こえることがあるんです。
動けない理由は “やる気” だけではない
- 「何度言ったらわかるの!」
- 「真面目にやりなさい!」
そう 怒鳴りたくなる夜 や、情けなくて 涙が出る放課後 もありますよね。
- 私の育て方が悪いのかな…
- 先生としての指導が甘いのかな…
と、自分を追い詰めてしまうこともあるかもしれません。
でも、知っておいてほしいのです。
👉 子どもが動けない理由は、
子どもの “やる気” でも、あなたの “関わり方” のせいでもありません。
そこには、目に見えない “特性によるしんどさ” が隠れていることがあるんです。
⚫︎ 大人の見え方:「私(先生・保護者)の話を真面目に聞いていない」
「サボっている」
⚫︎ 実際の理由|特性による障壁
- 理由① 聴覚過敏
- 理由② ワーキングメモリの弱さ
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子どもの “動けない” の裏にある本音
- 「やる気がない」
❌ サボっている
⭕ 見通しが立たなくて怖くて動けない
- 「頑張って」が響かない
❌ 努力が足りない
⭕ すでに限界まで頑張っていて充電切れ
- 「指示通り動かない」
❌ 反抗している
⭕ 情報が多すぎて脳内がフリーズしている
“安心” があると子どもは挑戦を始める
- 「いつまでも守ってばかりいたら、この子は自立できないんじゃないか…?」
- 「私たちが安心させすぎて、打たれ弱い子になってしまったらどうしよう…?」
👉 子どもを大切に想うからこそ、私たちはつい
「早く一人で 歩けるように」と背中を押したくなりますよね。
安心は甘えではない
子どもが「やって」と甘えてきたり、大人のそばを離れようとしなかったりするとき、
- 「これ以上甘えさせたらワガママになる」
- 「依存してしまう」
と不安になり、突き放さなきゃ と必死になる瞬間はありませんか?
その不安は、子どもの自立を真剣に願っているからこその “感情” なんです。
👉 しかし、発達の視点から見ると、
”安心” と “甘え” は決して子どもの “成長を妨げるもの” ではありません。
⚫︎ 大人の焦り:「もうお姉ちゃんなんだから、お友達の中に入って行きなさい」
(心の中):「ずっとベタベタして、甘え癖がついたら困る…!」
⚫︎ 子どもの内面:「新しい場所はちょっと怖いな」
「でも、お母さんの温かい手を触って安心のエネルギーを充電したから…」
「よし、ちょっとだけあのおもちゃのところまで行ってみよう!」
👉 子どもにとって、信頼できる大人は心の安全基地(港)なんです。
“港” で十分に燃料(安心感)を補給できた船だけが、
荒い海へと航海に出ることができるんです。
👉 大人が「気が済むまでここにいていいよ」と受け入れることは、
甘やかしではなく “心の燃料補給” なんですね。
👉 十分に安心した子どもは、必ず自分のタイミングで大人の手を離し、
自ら挑戦の海へと漕ぎ出していくんです。
脳は安心すると挑戦を選ぶ
「うちの子には やる気がない」と悩むとき、
本人の尻を叩くような声かけをしてしまいがちです。
👉 ですが、子どものやる気や挑戦をコントロールしているのは、
大人の “叱咤激励” ではなく、実は “脳の仕組み” そのものなんです。
⚫︎ 大人の焦り:「難しそうだからって最初から諦めないの!」
「挑戦する前から無理って言わない!」
⚫︎ 脳のメカニズム|安心と挑戦
- 不安なとき = 脅威モード
脳の扁桃体(へんとうたい)という部分が危機を察知し、心身を守るために
フリーズ(思考停止)か逃避(やらない)を選びます。

この状態では、どんなに励まされても 挑戦の脳細胞は働きません。
- 安心なとき = 安全モード
「間違えても怒られない」「困ったら助けてもらえる」と脳が安全を確信すると、
思考を司る前頭葉(ぜんとうよう)が活発になり、

自然と、「おもしろそう、やってみよう」
という 探究心・挑戦モード に切り替わるんです。
👉 大人が「できなくても、あなたの価値は変わらないよ」
という安全な環境を保証してあげること。
👉 それが、脳のスイッチを “防衛” から “挑戦” へと切り替える、
最も科学的で確実なアプローチなんです。
「失敗しても大丈夫」が勇気になる
- 「失敗して傷つく姿を見たくない…」
- 「一度の挫折で、二度と立ち上がれなくなったら可哀想…」
大人が先回りして手を出してしまったり、「失敗しないように」と細かく指示を出してしまうのは、
子どもが傷つく痛みを、自分のことのように痛切に感じているからです。
子どもの悲しむ顔を見たくないという、

親心(教師心) の 究極の優しさ ですよね。
挑戦 には、必ず 失敗 がついてまわります。
👉 結論:子どもが次に進む勇気を持てるかどうかは、
失敗した瞬間に大人がどんな顔で自分のことを見ているかで決まります。
大人が失敗を ダメなこと と捉えず、
- 「挑戦したことが素晴らしいんだよ」
- 「痛かったね、大丈夫だよ」
と両手を広げて受け止める。
👉 その、失敗しても自分は見捨てられないという絶対的な安心感こそが、
子どもが何度でも立ち上がり、次の一歩を踏み出す本当の勇気になるんです。
子どもに 安心を渡すこと は、決して 甘やかし でも、自立を遅らせること でもありません。
私たち大人が
- 「できても、できなくても、あなたのことが大好きだよ」
- 「困ったら一緒に考えよう」
という 安心の土台 をどっしりと構えてあげること。
👉 その温かい土台の上でこそ、
子どもたちは安心して打たれ強くなり、自分の力で羽ばたいていくことができるんです。
👉 今日も子どものために必死に悩んでいるあなたへ。
まずは「毎日お疲れ様」と、あなた自身にもたくさんの “安心” をあげてくださいね。
👉 子どもは、”安心している” から “挑戦する” のではありません。

挑戦できるくらい “安心できていた” んです。
実際にあった現場でのエピソード
「早くしなさい」の 限界|朝の家庭
- 「早く着替えちゃいなさい!」
- 「もう時計の針が『7』だよ!」
朝のリビングは、まるで戦場です。
保護者の方は、仕事の始業時間、遅刻させられない焦り、
今日一日のスケジュールを頭の中で逆算し、
心臓をバクバクさせながら必死に声を張っています。
それなのに、パジャマのままソファでゴロゴロし、
YouTubeの画面から目を離さないAくん。
「どうしてこの子はこんなにやる気がないの…」と、
情けなさと怒りで涙が出そうになります。
でも、Aくんの脳の中は、決して「サボっている」わけではないんです。
- 朝のテレビの音
- お皿のガチャガチャいう音
- カーテンから差し込む強い光
そして、何より大好きなママの 焦り という目に見えない 不穏な空気 を敏感に察知して、
脳のアンテナが 危険モード になり、恐怖でフリーズ していたんです。
そこでママが深く息を吐き、
「…よし、一回ストップ」
「ママ少し焦ってたね…」
「ごめんごめん」
「お着替え、1枚だけ一緒にやろっか」
と、焦りのイライラを 安心の空気 に変えて、ポツンと隣に座る。
「全部自分でやらせなきゃ自立しない」という大人の必死な思い込みを一度手放し、
隣に座って肩を寄せ合うだけで、子どもの脳 は ここは安全だ と判断します。
すると、さっきまで鉛のように動かなかったAくんの手が、すっと袖に伸びていくのです。
ノートが白い理由|学校の授業中
はじまりのチャイムが鳴り、めまぐるしく進む授業。
そんな中、何度声をかけてもノートを開かず、
鉛筆をいじって窓の外を見ているBくん。
「やる気がないなら、後ろで立っていなさい」
と言いたくなるのを、先生も必死に堪えています。
でもBくんをよく見ると、耳を少し気にしています。
実はBくんにとって、教室は 音の嵐 だったんです。
- 隣の席の子が消しゴムを使うゴシゴシという音
- 廊下を歩くパタパタという足音
- 換気扇のブーンという低音
それらがすべて 同じ音量 で耳に飛び込んできて、
先生の「15ページを開いて」という声が、雑音に埋もれて 届いていなかったんです。
「どうしていいか分からない」という圧倒的な “不安” のなかで、Bくんは立ち尽くしていました。
それに気づいた先生が、全体への指示のあと、Bくんの席へ歩み寄り、
そっとノートの15ページを開いて、指で優しくトントンと示しました。
「ここだよ」
「まずは一行目だけ、先生と一緒に書いてみよう」
「置いていかれない」という確かな 安心を感じた瞬間、
Bくんの瞳に光が戻り、鉛筆が動き始めます。
お惣菜売り場のパニックと、小さな手|外出先
夕方の混雑するスーパー。
お惣菜売り場の前で、
「買って!買って!」と床に寝そべって大泣きするCくん。
周囲の 痛いような視線 が、一斉に 突き刺さり ます。
通り過ぎる人の「甘やかしすぎじゃない?」とでも 言いたげな目。
- 「しつけがなっていない親だと思われている…」
- 「どうしてうちの子だけ、普通に買い物ができないの…?」
焦りと恥ずかしさ でお母さんの頭は真っ白になり、心臓が痛いほど脈打ちます。
早くこの場を収めなきゃ、社会のルール を教えなきゃと必死になるあまり、
Cくんの細い腕を引っ張って「いい加減にしなさい!」と、
大きな声で怒鳴りつけてしまいました。
周囲の目が気になって、
怒ったあとに激しい 罪悪感 で自分を責めてしまう、本当に辛い瞬間です。
でも、お母さんは、何も悪くありません。
毎日クタクタになりながら、
この子をちゃんと育てようと、必死に頑張っているだけなんです。
そして、Cくんもまた、
決して わがまま や 嫌がらせ で泣いていたわけではありません。
- 夕方のスーパーの眩しい蛍光灯のチカチカした光
- 頭上で鳴り響くお決まりのBGM
- いくつかの惣菜が混ざり合った強い匂い
- すれ違う人々の気配
- カートが通るゴロゴロという音
人一倍、五感が敏感 な特性を持つCくんの脳は、
この過剰な情報を受け止めきれず、完全に パニック を起こしていたのです。
あの涙と叫びは、買ってほしい という ワガママ ではなく、
脳が悲鳴をあげた「ママ、苦しいよ!助けて!」という SOS だったんです。
お母さんは、ハッと我に返り、買い物のカゴをいったん売り場に戻しました。
社会の目 よりも、目の前の 我が子を選ぶ覚悟 を決めた瞬間でした。
泣き叫ぶCくんをぎゅっと抱きかかえ、
騒がしい店内を出て、静かな車の中へと連れ戻します。
車のドアを閉めた瞬間、嘘のように静寂が訪れました。
お母さんはCくんを膝の上に乗せ、
背中をゆっくりとさすりながら、耳元で静かにささやきます。
「びっくりしちゃったね」
「しんどかったね」
「大丈夫、大丈夫。ここにいようね」
外の騒音や光から遮断され、お母さんの温かい胸の中で、
Cくんの荒い呼吸がだんだんと穏やかになっていきます。
そして、あんなに激しかった涙が、ピタッと止まりました。
Cくんに必要だったのは、
叱責 でも お行儀の指導 でもなく、ただ 安心できる静かな環境 だったんですね。
しばらく車内で絵本やDVDケースを眺め、
お母さんの 心の波 も落ち着いた頃、もう一度手をつないで何とか買い物を終わらせました。
そして、お店を出てきて、駐車場へと向かったときのことです。
Cくんが、お母さんの手を、いつもより少し強めに ぎゅっ と握り締めました。
お母さんが足を止め、目線を合わせるようにしゃがみ込むと、
Cくんは 真っ赤に腫らした目のまま、小さな声でポツリと言いました。
「ママ、さっきは、ごめんね…」
その瞬間、お母さんの目から、
今まで我慢していた涙がボロボロとあふれ出しました。
- さっき店内で怒鳴ってしまった 申し訳なさ
- 周りの目を気にしてしまった 情けなさ
そして何より、
- この子は私を困らせたかったんじゃない
- ちゃんと分かろうとしてくれていたんだ
という 愛おしさ が、涙になってあふれて出て止まらなくなったんです。
お母さんはもう一度、駐車場の車の陰で、Cくんを強く強く抱きしめました。
「お母さんの方こそ、怒鳴ってごめんね」
「大好きだよ」
お家に帰る車内、Cくんはいつになく 穏やかな表情 で、
窓の外を流れる景色を眺めていました。
- パニックになっても、ママは僕を嫌いにならない
- ママの後ろは、世界で一番安全だ
その 絶対的な安心感 を 心にチャージ したCくんは、
以前より、お母さんの手を握って 落ち着き を取り戻せる場面が増えていきました。
子どもは、できるから安心する のではありません。
安心できる場所がある と確信したとき、
初めて 自分をコントロール し、少しずつ社会の中で 生きる挑戦 を始めていくんです。
宿題という名の、高すぎる壁|夜のダイニングテーブル
夕食後、時計の針はもう夜の8時半。
「早く宿題終わらせて寝ないと、明日起きられないよ!」
何十回目か分からないセリフを言いながら、
プリントを前にフリーズしている6歳のDさんを 睨みつけてしまう夜。
保護者の方の心の中は
- 「明日、宿題を忘れて先生に怒られる我が子を見たくない…」
- 「恥ずかしい思いをさせたくない…」
という、Dさんを 守りたい一心 で溢れています。
だからこそ、宿題をやらない姿に イライラが爆発 してしまうんです。
でも、Dさんはすでに、学校という 大緊張の空間 で一日中エネルギーを使い果たし、
スマホで言えば バッテリー残量1% の状態だったんです。
文字を読むワーキングメモリ(脳の記憶容量)も限界を迎えており、
プリントの文字が ただの記号の羅列 に見えて、
どこから手をつけていいか分からず “絶望” していたんです。
「もういいよ 」
「今日はパパが代わりに書くから…」
「 Dちゃんは答えを口で言ってね」
そう言って、パパがペンを握り、Dさんの代わりに文字を書く。
それは 甘やかし ではなく、限界を迎えた子どもへの 緊急避難という名の安心 ですね。
「できなくても、夜は優しく眠れるんだ」
という 安心感 に包まれて眠ったDさんは、
翌日、充電された 新しいエネルギー を持って、また学校へと向かうことができるんです。
▶︎ 広告:どんなおもちゃを子どもに選んだらいいかわからない。

“安心” と “甘やかし” はまったく違う
子どもの力を伸ばす 安心 と、
自立を妨げてしまう 甘やかし の 境界線 はどこにあるのでしょうか?
“安心” は子どもの力を奪わない
👉 結論:”安心” とは、子どもが自分の力で歩き出すための心の土台のこと。
⚫︎ 大人の焦り:「甘やかして育てると、ワガママで打たれ弱い子になってしまう…」

安心を渡す具体的な姿 の具体例とは?
- 「やりたくない」というネガティブな感情(不安・恐怖)を丸ごと受け止めること
- 「失敗しても怒られない」「困ったら助けてもらえる」という心理的な安全基地になること
- 結果ではなく、「今日までやろうとしたプロセス」そのものを肯定すること
⚫︎ 子どもの未来:”心の充電” が満タンになり、
次の一歩を自分の意志で踏み出すエネルギーが湧いてきます。
▶︎ 関連する内容として、こちらもおすすめです。
できることまで代わりにやるのが “甘やかし”
👉 結論:”甘やかし” とは、愛情ゆえに大人が先回りして、
子どもが自分でできる経験を奪ってしまうこと 。
⚫︎ 大人の焦り:「失敗して傷つく姿を見たくない」
「スムーズに終わらせて、この子に恥ずかしい思いをさせたくない…」

甘やかしになってしまう具体的な姿 とは?
- 本当は自分で着替えられるのに、時間がかかるからと大人が全部着替えさせてしまう
- 子どもが自分で答えを出せる問いに対して、大人が先回りして正解を言ってしまう
- 子どもが失敗して傷つくのを恐れて、最初から挑戦の機会を与えない
⚫︎ 子どもの未来:「自分がやらなくても誰かがやってくれる」と学習し、
自分で試行錯誤する機会(挑戦する力)が育ちにくくなります
安心は挑戦する力を育てる支え
| 根底にある大人の関わり | 子どもの心への作用 | |
| ⭕️ 安心 | “感情” を受け止める 怖い、しんどい、やりたくない気持ちを肯定する | 「失敗しても居場所がある」と分かり、次への挑戦の勇気が育つ |
| ⚠️ 甘やかし | “行動” を奪いすぎる 本人ができること・乗り越えられる試練まで先回りして片付ける | 「自分でやらなくていいんだ」と諦め、挑戦を避けるようになる |
信頼関係が子どもの “自己調整力” を育てる
- 「感情を上手にコントロールできるようになってほしい」
- 「自分の行動を自分で振り返り、調整できるようになってほしい」
👉 私たちが子どもに望む 自己調整力 は、
大人が厳しく教え込むことで身につくものではありません。
👉 実は、大人との間に結ばれた 固い絆 と 安心感 こそが、
子どもが自分をコントロールするためのブレーキとアクセルを育てていくんです。
安心できる大人が心の土台になる
👉 結論:”自己調整力” の第一歩は、自分の 快・不快の感情を、
大人がそのまま受け止めてくれた、という安心感から始まります。
⚫︎ 大人の焦り:感情的に怒鳴ったり泣き叫んだりするのを、
早くやめさせなさいと周りから責められている気がする…。

心の土台ができる具体的な姿 とは?
- パニックになったとき、大人が否定 せず「しんどかったね」と寄り添い、
心が落ち着くまで待ってくれる - 感情を爆発させても、大人が感情的に返さず、静かな盾(安全基地)であり続けてくれる
⚫︎ 子どもの変化:自分の激しい感情も、この大人の前なら出しても大丈夫だ、
とホッとすることで、脳が少しずつ冷静さを取り戻し、
自分の感情を 客観的 に見つめる余裕(自己調整力の芽)が生まれます。
▶︎ もしよければ、こちらの記事も参考にしてみてください。
失敗できる経験が自己調整力を育てる
👉 結論:自己調整力とは、失敗しないことではなく、
“失敗したときに、どうやって自分を立て直すか” の経験から育ちます。
⚫︎ 大人の焦り:「失敗して周りに迷惑をかけたらどうしよう…」
「早く正しい方法を教えなきゃ…」

失敗できる経験の具体的な姿 とは?
- 計画通りにいかなくても、
「じゃあ、次はどうすればいいと思う?」と大人と一緒に作戦会議ができる - 間違えたときに怒られるのではなく、
「いい失敗だね!」「気づけてかっこいい!」と挑戦した姿勢を称賛される
⚫︎ 子どもの変化:失敗を隠したり嘘をついたりする必要がなくなります。
間違えても大丈夫という安心 があるからこそ、次はルールを守ってみよう・
やり方を変えてみようと、自分で行動をコントロールする知恵が身につきます。
▶︎ 少し視点は変わりますが、こちらの記事もヒントになります。
挑戦を繰り返すことで自信になる
👉 結論:”安心” というブレーキと、
“失敗のリカバリー” というハンドルを手に入れた子どもは、
いよいよ “挑戦” というアクセルを自分から踏み込みます。
⚫︎ 大人の焦り: 「この子に『やればできる』という本物の自信を、早く味あわせてあげたい…!」

自信に繋がる具体的な姿 とは?
- 「もう一回やってみる」と、自分のタイミングで苦手なことにも再挑戦する
- 大きなゴールではなく、「さっきより一歩進めた」という 小さな変化 を、大人と一緒に喜び合う
⚫︎ 子どもの変化:大人に無理やりやらされた成功は自信になりません。
ですが、安心できる環境のなかで、自分で決めて、失敗しながらも乗り越えた
という経験は、子どもの中に私は大丈夫、私ならできるという、生涯崩れない
本当の自信(自己効力感)として深く刻まれていきます。
今日からできる “安心” を届ける3つの関わり
まずは待つ
「早く動いて!」という焦りは、子どもを想うからこそ。
でも、その焦りのブレーキをほんの少しだけ緩めて、
子どもの 心の準備を待つ ことが、最初の安心 になります。
⚫︎ 大人の焦り: 「早く次の行動に移らせないと、
全体のスケジュールが遅れてみんなに迷惑がかかっちゃう…」

今日からできること!
- 声をかけたあと、すぐにリマインドせず 心の中で10秒カウント して待つ
- 子どもがフリーズしているときは 固まるほど脳がフル回転で考えているんだな と捉え、
だまって隣に寄り添う - 「早く」を「あなたのペースで始めていいよ」という眼差しに変える
⚫︎ 届く安心:「急かされない、急がなくても自分のタイミングを待ってもらえる」という、
時間的な安心 が生まれます。
👉 結論:”急がせること” は、子どもを前へ進めることとは限りません。
“安心させること” が、一番早い近道になることがあります。
結果より挑戦を認める
できた・できない の結果にハラハラしてしまうのは、
子どもの成功を誰よりも願っているからです。
だからこそ、
その視線を 結果 から プロセス(やろうとした姿)へと少しだけずらしてみましょう。
⚫︎ 大人の焦り: 「結果が出ないと、本人が達成感を味わえないんじゃないか…」
「自信をなくすんじゃないか…」

今日からできること!
- 100点や完成を目指すのではなく、
「ノートを開いた」「机に向かった」その最初の一歩を言葉にする - 失敗して悔しがっているときに、
「次はがんばろう」ではなく「挑戦した姿、めちゃくちゃかっこよかったよ」と伝える - 「できたね」という結果への褒め言葉を、
「やろうとしていたの、見てたよ」という プロセスへの共感 に変える
⚫︎ 届く安心:「結果がダメでも、がんばろうとした自分を丸ごと認めてもらえる」
という、絶対的な存在の安心 が育ちます
「どうしたらできそう?」を一緒に考える
「こうしなさい!」と指示を出してしまうのは、
子どもが迷わないように 最短ルート を教えてあげたいという、大人の優しい先回りです。
その ルート案内 を、子どもと一緒に地図を広げる 作戦会議 に変えてみます。
⚫︎ 大人の焦り: 「正しいやり方を教えないと、また同じ失敗をして子どもが傷ついてしまう…」

今日からできること!
- 「なんでできないの?」を
「どうしたら、もう少し楽にできそうかな?」という質問に変える - 大人が 正解を命令 するのではなく、
「AとBのやり方、どっちがやりやすい?」と小さな選択肢を渡して選んでもらう - 「手伝って」と言われたら全部やるのではなく、
「どこまでなら自分でやってみる?どこをママ(先生)がやろうか?」と分担を相談する
⚫︎ 届く安心:「無理やり押し付けられない。困ったら一緒に考えてくれる味方がいる」
という、孤立させない安心 が手に入ります
私たちが完璧な大人になろうとしなくて大丈夫です。
待てない日 があっても、結果にイライラしてしまう日 があっても、

それはあなたがそれだけ必死に子どもと向き合っている証拠なんです。
大事なのは、大人が100点満点の関わりをすることではなく、

あなたの味方だよというサインを、できるときに、できる形で届けること。
あなたが届ける 小さな安心 のひとしずくが、やがて子どもの中に 大きな海 となり、
自分から未来へ挑戦する最高のエネルギーへと変わっていきます。
今日も子どもたちのために悩み、歩んできたあなたへ。
本当にお疲れ様です。

明日も、小さな安心 を一緒に渡していきましょうね。
おわりに
今日も、「また怒ってしまった」と落ち込んでいるお母さんへ。
「また大きな声を出してしまった」と自分を責めている先生へ。
大丈夫ですよ。
子どもは、完璧な大人 を求めているのではありません。

安心して戻ってこられる場所を求めているんです。
今日怒ってしまったなら、

明日、「昨日はごめんね」と一言伝えればいいんです。
その一言が、子どもにとっての 安心 になるんです。
👉 子どもは、できるようになったから安心する のではありません。
安心できた からこそ、挑戦する勇気が生まれる んです。
👉 私は30年以上子どもたちと関わってきましたが、
この順番に気づいてから、子どもへの関わり方が変わりました。
👉 そして、子どもたちも少しずつ変わり始めたんです。
今日だけではなく、また苦しくなった日に読みに来てください。
子育ては、一度読んだから終わりではありません。
苦しい日は何度でもやってきます。
そんな日にこの記事が、あなたの心を少しでも休ませる場所になれたなら、
これ以上うれしいことはありません。
疲れた夜に読み返す、お守りのページ
- ✔︎ 安心 があると子どもは挑戦を始める
- ✔︎ 安心 と 甘やかし はまったく違う
- ✔︎ 信頼関係が子どもの 自己調整力 を育てる

スクリーンショットをして、保存してくださいね。
第3期も、いよいよ次回が最終回です。
ここまで、「困った行動」の背景や、伝わる声かけ、見通し、感覚の違い、そして安心の大切さについて考えてきました。
次回(最終回)は、“保護者の方へ、『ひとりで頑張り続けなくていい』” 。
「周囲に理解されない」「比較される」「自分を責める」「常に気を張る」、そんな状態になりやすい
保護者の方自身に焦点を当てて、現場経験を交えながら書いてみたいと思います。
▶︎ ここまで読んでくださった方には、ぜひ次の記事も読んでいただきたいです。
▶︎ 今回の記事のコラムも、ぜひ、あわせて読んでみてください。
「どうして?」が、「そうだったんだ」に変わるとき、
子どもとの関わり方も、少しずつ変わり始めます。
このシリーズが、その小さなきっかけになれたらうれしく思います。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
▶︎ 広告:どんなおもちゃを子どもに選んだらいいかわからない。











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