発達特性のある子の “出来る日、出来ない日” の理由?指導者が知るべき4つの視点

見え方が変わる

〜 運動指導の見え方がかなり変わる (4)〜
『 なぜ急に出来なくなるのか?発達特性のある子どもの “波” の正体! 』


「昨日は出来たのに、今日は出来ない」
発達特性のある子どもを指導していると、この場面に何度も出会いますよね?

さっきまでうまくいっていたのに、急に崩れる。練習では出来たのに、本番になると出来ない。
そのたびに “どうして安定しないのか” と悩むこともあるかもしれません。

しかし、この “出来る日、出来ない日” の波は、気分ややる気の問題ではありません。
そこには、脳の働き、感覚の負荷、環境との相性、安心感など、いくつもの要因が関係しています。

そこで今回は、発達特性のある子どもに起こる “波” の理由を整理しながら、指導者としてどのように向き合えばよいのかを解説します。

6〜9分

発達特性のある子どもは、脳の働き方に偏りやゆらぎがあります。

注意の向きやすさ
情報の処理速度
感覚の受け取り方

これらは、日によってだけでなく、同じ日の中でも大きく変わることがあります。
つまり、“出来ない” のでは無く、その瞬間は “処理が追いついていない状態なのです。


私たちが気づかないところで、子どもは多くの刺激を受けています。

周りの音
人との距離
身体への接触
光や空間の広さ

こうした感覚の負荷が積み重なると、脳はそれだけでエネルギーを使い切ってしまいます。
その結果 “昨日は出来たことが、今日は出来ない”という状態が起こります。


一度出来たことは、次も出来るとは限りません。
特に発達特性のある子は、

無意識に出来た
偶然条件がそろった
周囲のサポートが自然に合っていた

こうした要因で “出来た” ことが多くあります。
つまり、“出来た経験” と “出来る力” は、まだ一致していない段階とも言えます。


子どもはとても繊細に、その場の空気を感じ取っています。

今日は怒られそうな雰囲気
周りと比べられている感じ
失敗出来ない空気

こうしたわずかな緊張が、身体の動きや判断に大きく影響します。
逆に言えば “安心出来る日は、力を出しやすい” ということです。


練習では出来たのに、本番で崩れる
一人だと出来るのに、集団になると出来ない
調子がいい日は驚くほどスムーズに出来る

これらはすべて “気分” では無く、条件の違いによって起きている現象です。


この “出来る日、出来ない日” に対して、最も大切な視点はひとつです。
“安定させようとしすぎないこと”

大事なのは、

出来ない日を責めない
波があることを前提にする
出来た日を丁寧に積み重ねる

そして “今日は出来ない日かもしれない” と受け止める余裕です。


子どもは、いつも同じ状態で立っているわけではありません。
見えないところで、調整し、踏ん張り、バランスを取っています。

その中で、出来る日もあれば、出来ない日もある。
それは後退では無く、揺れながら進んでいる証拠です。


私たちに出来るのは、その波を無理に消すことでは無く、波の中でも安心していられる場所を作ることなのかもしれません。

子どもは、出来ない日を重ねながら、出来る日へと近づいていきます。


次回は、“発達特性のある子が安心する、指導者の共通点” をお話しします。
これは、長く子どもと関わってきた指導者ほど「なるほど」と感じる内容だと思います。

若いあなたにも、是非とも読んでいただきたいです。


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