第2シリーズ第4回記事 コラム

ひとことコラム

〜 よっちゃんの ひとことコラム 〜


若い頃の私は、保護者とのやり取りを “報告” だと思っていました。

「今日は出来ました」
「最後まで参加出来ました」
それが仕事だと思っていたのです。

でも、ある日気づきました。
保護者の方が知りたいのは、”出来たかどうか” ではなく、”安心していられたかどうか” だということに。


『 表情を伝えるということ 』

「今日は最後に小さくガッツポーズをしていました」
そう伝えたとき、お母さんが涙ぐまれました。

家では最近、笑顔が少なかったそうです。
あのとき私は理解しました。

成果は一瞬。表情は、その子の “内側の証拠” だと。
発達特性のある子ども(例:自閉スペクトラム症)は、安心できる環境の中でこそ力を出します。

だから私は、出来不出来よりも、”どんな顔をしていたか” を伝えるようになりました。


『 保護者もまた、不安の中にいる 』

「迷惑をかけていませんか?」
この言葉の裏には、

  • 申し訳なさ
  • 孤立感
  • 自責の思い

が隠れています。

私はこう答えます。
「大丈夫です。その子のペースで頑張れています」

心理学では、理解されることで人の緊張が和らぐと言われます。
Daniel Siegel は、情動は “共有” によって安定すると述べています。

子どもだけでなく、保護者の神経もまた、安心を必要としているのです。


『 同じ方向を見る関係へ 』

以前は “報告” でした。
今は “共有” です。

「今日は途中で集中が切れました。でも少し休んだら戻れました」
そう伝えると、保護者の方がおっしゃいました。

「家でも “休んでいい” って言ってみます」
その瞬間、教室と家庭がつながりました。

Murray Bowen の家族システム理論では、子どもは家族というシステムの一部だと述べています。
家庭が安定すれば、子どもも安定する。

だから、私たちは “技術” だけでなく “関係” も育てているのです。


『 指導・支援に悩む、若い(経験の浅い)先生やコーチの方へ 』

成果を出そうとしなくていい。
まずは、

  • その子の表情を見ること
  • 保護者の不安に耳を傾けること
  • 同じ方向を見ようとすること

それだけで、支援は変わります。

指導とは、子どもを伸ばすことではなく、安心の循環をつくることなのかもしれません。


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