負けて荒れる子はどう伸ばす?ADHDの特性を踏まえた運動指導の工夫

見え方が変わる

〜 運動指導の見え方がかなり変わる (7)〜
『 子どもは、受け止められた分だけ強くなる! 』


試合に負けた瞬間、泣き出したり、怒ったり、動けなくなってしまう子がいます。

「勝ち負けだから仕方ない」
そう思いながらも、どう関わればいいのか悩む場面は少なくありません。

実は、こうした姿の背景には、ADHDの特性である “感情の調整の難しさ” が関係していることがあります。それは、わがままでも甘えでもなく、“気持ちをうまく止められない状態” です。

そこで今回は、運動指導の現場で実際に起こる場面をもとに、

  • なぜ負けると崩れるのか?
  • どのように関わればよいのか?
  • 現場ですぐ使える具体的な対応?

を分かりやすく整理していきます。

8〜12分

運動指導の現場で、多くの指導者が悩むのが “負けたときに崩れる子” です。

  • 泣く
  • 怒る
  • 用具を投げる
  • 競技をやめてしまう

こうした反応は、特に“ADHDの特性” を持つ子に見られることがあります。
これは “わがまま” では無く、”感情調整(感情のブレーキ)の難しさ” が関係しています。


ADHDの子は、

  • 勝敗に強く反応する
  • 衝動的に感情が出る
  • 気持ちの切り替えに時間がかかる

という傾向があります。
負けた瞬間、脳の中では “悔しい” より先に “爆発” が起きることがあります。

よっちゃん
よっちゃん

つまり、“負け → 感情爆発 → 行動” という流れです。

なので指導のポイントは、爆発を止めるのではなく、爆発の前後を整えることです。


実は、ここが一番効果があります。

勝敗の意味を先に伝える!

例えば、
「今日は勝ち負けもあるけど、“チャレンジを見るゲーム” だよ」

勝敗だけに意識が集中すると、“負け=自分の否定” になりやすくなります。


別の評価軸を作る?

例えば、

  • 全力ダッシュ
  • ナイスパス
  • 声出し

など、“勝敗以外の成功” を用意します。


終わり方を予告する!

ADHDの子は、“終わりの瞬間の感情” で崩れやすいです。

例えば、「終わったら、①握手 ②水休憩」。
このように “終了の流れを決めておく” と安定します。


ここで一番大切なのは、“長い説教をしないこと” です。

感情が高い時は、言葉はほとんど入りません。


声かけの基本!

“短く、低く、ゆっくり”
例えば、「悔しいね」「今は休もう」。

まずは、“感情を否定しない” ことが大事です。


現場では、“公式のクールダウン場所” を作ると効果があります。
例えば、

  • マットの端
  • コーンで囲った場所

そこを “落ち着くスペース” として扱います。罰ではなく “整える場所” です。


ここで大事なのは “行動を責めないこと” です。

例えば、

「なんで怒ったの?」

「悔しかったね」
「次どうする?」

よっちゃん
よっちゃん

次に向かう言葉が大切です。


ADHDの子には “勝敗の頻度が高すぎる競技” は崩れやすいです。
例えば、

  • 毎回勝敗がつくゲーム
  • 個人対決

よりも、

  • チーム協力型
  • ミッション型

の方が安定します。
例えば、「何回パスが続くかチャレンジ!」など。


負けて崩れる子は、実は “本気でやっている子” です。
悔しさを感じるほど、勝ちたい気持ちがあります。

そのエネルギーを “壊さずに育てる” ことが指導のポイントです。


多くの指導者が言います。
「怒らなくなったら、崩れなくなった」

よっちゃん
よっちゃん

子どもは “感情を受け止めてくれる場所” では、少しずつ自分で整えるようになります。


負けて崩れる子は “困った子” ではなく、“それだけ本気で取り組んでいる子” です。
その強い気持ちは、うまく育てれば大きな力になります。

大切なのは、感情を押さえつけることではなく、”整える方法を一緒に育てていくこと” です。
そしてその第一歩は、大人が感情を受け止めることから始まります。

悔しさを安心して出せる場所で、子どもは少しずつ、自分で気持ちを整える力を身につけていきます。

よっちゃん
よっちゃん

運動の場は、勝ち負けを学ぶ場所であると同時に、“感情と向き合う力を育てる場所” でもあります。


次回は、“なぜ発達特性のある子はルールにこだわるのか?” をお話しします。
一見すると “落ち着きがない、指示が通りにくい、自由すぎる”、そんな印象を持たれることもある発達特性のある子どもたち。しかし、現場で関わり続けていると、まったく逆の姿に気づくことがあります。


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