〜 “できない” は、止まっているのではなく “進んでいる途中” 〜
【全6回シリーズ・子どもとの関わり方】 第1期 第6回
「できない…」その一言を聞いたとき、あなたはどんな気持ちになりますか?
焦りでしょうか…? もどかしさでしょうか…?
それとも、どう声をかければいいか、分からなくなるでしょうか…。
私はこれまで30年以上、運動指導の現場に立っています。

たくさんの子どもたちと出会い、たくさんの “できない” に向き合ってきました。
そして正直に言うと、私は何度も、間違えてきました。
この記事では、『特に心に残っている学び』を、お伝えします。
- “うまくいかない日” こそ、本当の学びがある
- 指導者も “子どもと一緒に成長” していく
- 結果よりも “安心して挑戦できる空間” をつくる
▶︎ この記事はシリーズとなっております。全体の考え方をまとめて読みたい方はこちらから👇
▶︎ 人は、何歳になっても学び直せます。
私は30年以上現場で指導していますが、子どもに対する見方を間違えていた時期がありました。
うまくいかない授業の “あの空気”
- 「早くして!」
- 「さっきもやったよね?」
気づけば、声が強くなっている。子どもは動かなくなる。空気が重くなる。そして、その空気をどうにもできないまま授業が終わってしまう。
そんな経験、あなたにもありませんか?
あのときの子どもの表情が、あとから何度も頭に浮かぶんです。
私は “動かすこと” ばかり考えていた
あの頃の私は、
- どうすれば動くか
- どうすれば言うことを聞くか
- どうすればうまくいくか
そればかりを考えていました。でも今なら分かります。

そのときの子どもたちは、きっと楽しくなかった、と。
子どもたちが教えてくれたこと
ある日、ひとりの子が言いました。
「できない…」
そのとき、ふと立ち止まったんです。本当に “できない” のだろうか?
その子は、止まっていたわけではありませんでした。迷っていただけでした。
分からなくなっていただけでした。そして、気づいたんです。
「できない」は、止まっているんじゃない
👉 結論:「できない」は、”まだ途中” というサイン。
成長は、一直線じゃない。進んで、戻って、また進んで。
まるで、でこぼこ道を歩くように進んでいくもの。

それなのに私は、”まっすぐ進ませよう” としていたんです。
たった一言で、子どもの表情が変わった
子どもが「できない」と言ったとき、私はこう言ってみました。
「今は、ここまでできたね」
その瞬間、子どもの表情が、少しだけやわらぎました。
“戻る日” があっていい
前にできたことが、今日はできない。そんな日もあります。
でもそれは、後退ではありません。
「今日は戻りの日だね」そう伝えると、子どもは安心した顔をします。

なぜなら、”できない自分” を否定されなかったから。
▶︎ 関連する内容として、こちらがおすすめです。
子どもは “安心できる場所” でしか挑戦しない
どんなに良い指導でも、どんなに分かりやすい説明でも、安心できなければ、子どもは動きません。

逆に言えば、安心できる場所なら、子どもは挑戦します。
空気は、変えられる
授業中、ふと感じる違和感。「なんか、かたいな…」そんなとき、私はこう言います。
「ちょっと今、空気かたくなってきたね」それだけで、場がゆるむことがあります。
👉 完璧な進行よりも、”空気に気づけること” の方が大切だと知りました。
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私も、何度も間違えてきた
強く言ってしまった日もあります。うまくいかなかった日もあります。
でも、あるときこう言いました。
「さっきは、声が強くなってしまったね」「ごめんね」
すると子どもが言ったんです。「先生も間違えるんだね」

その一言に、救われました。
あなたも、完璧じゃなくていいんです。
変わる姿が、子どもに伝わる
- 「先生も間違える」
- 「でも、戻ってこれる」
この姿を見た子どもは、きっとこう思います。
👉 「じゃあ、自分も大丈夫なんだ!」
指導は “変えること” じゃなかった

以前の私は、子どもを変えようとしていました。

でも今は違います。変えるのではなく、一緒に整えていくこと。
そう考えるようになりました。
安心は “与えるもの” じゃない

授業のはじめに、私はこう聞きます。
「今日は、どんな気持ち?」
すると、
「眠い」
「ちょっと楽しみ」
「なんかイヤ」
👉 どんな答えでもいいんです。その一言で、空気が変わるから。
子どもと一緒に “場” をつくる
- 「2分にする?」
- 「3分にする?」
- 「どっちからやる?」
そうやって、一緒に決める。すると子どもは、

“やらされる側” から “参加する側” に変わります。
あの日の後悔が、すべての始まりだった
「早く並んで!」そう言ってしまった、あの日。

子どもが固まってしまった、あの瞬間。あれが、私の出発点でした。
おわりに

もし今、うまくいかない授業に悩んでいるなら…。
それは、いちばん大切な時間の中にいます。
子どもは、完璧な大人からではなく、迷いながらも立ち上がる大人 から学びます。
そして気づけば、教えているはずの私たちが、いちばん教えられているのかもしれません。
👉 できない日は、ダメな日じゃありません。止まっている日でもありません。
“成長している途中の日” なんです。
まとめ
- ✔︎ “うまくいかない日” こそ、本当の学びがある
- ✔︎ 指導者も “子どもと一緒に成長” していく
- ✔︎ 結果よりも “安心して挑戦できる空間” をつくる
この続きは、次の記事でさらに深くお伝えします。
次回は、
これまでの掲載6回分を総集編として再構成した『総集編:子どもが動けない本当の理由。
“安心” で変わる指導の6つの気づき』 シリーズまとめ記事です。
▶︎ ここまで読んでくださった方には、ぜひ次の記事も読んでいただきたいです。
今期を読んでくださった方へ
この6記事は、すべてつながっています。
- 強く言ってしまった後悔 → 『 https://www.yocchanblog.com/daiichi/ 』
- 子どもが固まる理由 → 『 https://www.yocchanblog.com/daini/ 』
- 発達特性と環境 → 『 https://www.yocchanblog.com/daisan/ 』
- つながりをつくる指導 → 『 https://www.yocchanblog.com/daiyon/ 』
- 自己調整力を育てる関わり → 『 https://www.yocchanblog.com/daigo/ 』
- 出来ない日は成長の途中(この記事)

順番に読むことで、“子どもの見え方” が大きく変わりますよ。
今期の第1〜第6回記事が、子どもと関わるすべての大人の方にとって、
少しでも “安心のきっかけ” になればうれしいです。
▶︎ この記事のコラムも、ぜひ、あわせて読んでみてください。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
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