〜 “出来ない日も、成長の途中” 〜
こんにちは、よっちゃんです。
私は運動指導の現場に立って30年以上になります。対象年齢は幅広く、4歳児から高齢の方までたくさんの方々に対して、運動の楽しさや体を動かす大切さを伝えています。
ところで、あなたの授業は、すべてうまく行ってますか?
うまく行くときもあれば、うまく行かない時もあるのではないでしょうか?
仮に、うまく行ってない時、あなたはどうしましたか?
例えば、授業の軌道修正が出来ないまま、ぐるぐると悪循環の渦に飲み込まれてしまった時のことです。
以前の私は、”どうすれば子どもを動かせるか?、どう伝えれば伝わるか?”
こんなことばかりを考えていて、その時の子どもたちは全く楽しくなかったと思います。
また、未就園児や月齢の低い子、グレーゾーンといわれる子どもの授業においても、うまくいかない時がありますよね?どうですか?
今の私は、以前とは少し違います。
“どうすれば、子どもが自分らしくいられるか?”。そのことを一番に考えるようになりました。
この数年で、子どもたちから本当にたくさんのことを教わりました。
今回はその中から、『特に心に残っている学び』(核心!)3選、をお伝えします。
- 失敗の中で “成長の芽” が育つ
- 指導者も “子どもと一緒に成長” していく
- 結果よりも “安心して挑戦出来る空間” をつくる
それでは、具体的な経験談をお話しします。
こころに残る “3つの学び”
子どもは “出来ない” ことで成長している
授業中、何かが出来ない時に、私は常に焦っていました。
でも、発達障害の特性のある子どもたちと関わる中で、”出来ない” は “まだ途中という合図” だと気づきました。
少し時間をおいたり、順番を変えたり、別の方法を試すことで、子どもが自分のペースで一歩ずつ進む姿を見せてくれます。
成長は “直線ではなく、行ったり来たりしながら育っていく”。そのことを、子どもたちが教えてくれました。
それらの行動を、教える側の視点に立ってまとめます。

“出来ない=失敗” ではなく、”途中” または “成長のプロセス” だと、子どもに体感として伝わるようにしてください。
このような関わり方は、”自己肯定感” と “挑戦する力” を守る土台になります。
「出来ない」は「まだ途中」!
例1:課題がうまくいかない時
子ども:
「出来ない…」
大人の声かけ:
- 「今は “ここまで出来た” ところだね」
- 「これは “失敗” じゃなくて “途中の形” だよ」
- 「まだ完成していないだけで、止まってはいないよ」

「出来ない」という言葉を “進行形の言葉に置き換える” ことが大切です。
これが、挑戦を止めないメッセージになります。
例2:着替えや準備が途中で止まった時
大人の声かけ:
- 「もう少しでゴールだよ!」
- 「今は “練習レベル” だから大丈夫!」

“本番=完成” では無いと伝えます。
“練習中” または “レベルアップ中 ” という表現にすると、安心感につながります。
“成長は行ったり来たりする” !
例3:前回出来たことが今回出来なかった時
大人の声かけ:
- 「成長ってね、前に行ったり、ちょっと戻ったりしながら進むんだよ」
- 「今日は “戻りの日”。でも前に行った経験は消えてないよ」

“後退=失敗” では無いと伝えてください。
大切なメッセージとして 、”調整の時間” と位置づけます。
例4:”でこぼこ道” のたとえ
大人の声かけ:
子どもに対して、
「まっすぐな道よりも、でこぼこ道の方が歩く力がつくんだよ!転びそうになったり、戻ったりするのは、体が強くなってる証拠なんだ」

視覚的イメージがあると、言葉が心に残りやすいです!
例5:ゲームやレベルでのたとえ
- 「レベルが上がると、前より難しい敵が出てくるよね!」
- 「前の技がうまく出なくなる時もあるよね。それもレベルアップ中!」

ゲーム感覚は “一時的に出来なくなる=成長中のサイン” として受け止めやすくなります。
大人が持っていたい “見えないメッセージ” !
言葉以上に大切なのは、大人の姿勢です。
- 「できない」→ ❌ 評価
- 「できない」→ ⭕️ 情報(今どの段階かを教えてくれる合図)
という捉え方を大人が持っていると、子どもは自然にこう感じます。
- “出来なくてもいい。ここにいていい!”
- “挑戦しても大丈夫!”

このような関わりは、”出来る子にする” よりも “挑戦し続けられる子に育てる” ことにつながります。
指導者も “変わっていい”
以前の私は、”指導者はいつも落ち着いていなければ” と思い込んでいました。
けれど実際には、”迷ったり、戸惑ったり、反省したり” の繰り返しです。でも、それでいいのだと思います。
大切なのは、間違えたあとにどう立ち上がるか。
私たちが “変わる姿” を見せることも、子どもたちへの大切なメッセージです!
「先生も間違えるんだね!」
「じゃあボクも大丈夫だ!」
「先生!がんばって!」
そんな会話が生まれたとき、教える側も救われた気がします。

指導者が変わる姿そのものが、子どもへのメッセージになるんです!
実際に、子どもたちは完璧で揺れない大人よりも、揺れながら立ち直る大人から、いちばん大切なことを学んでいきます。
感情的になってしまった後の “立ち上がり方” !
例 ①:強い口調で注意してしまったあと
起きたこと:
忙しさや不安から、思わず強い声で注意してしまった。
その後の関わり:
- 「さっきは声が強くなってしまったね。びっくりさせたと思う。ごめんね」
- 「うまく伝えられなかったから、言い直してもいい?」
“子どもに届くメッセージ”:
- 大人も感情を間違える
- でも、気づいて戻ってこれる
- 関係はやり直せる

これは子どもにとって、最高レベルの “感情調節モデル” です!
指導方法が合わなかったと気づいた時!
例 ②:やり方を変える姿を見せる
場面:
“出来るはず” と思って出した課題で、子どもが固まってしまった。
指導者の言葉:
- 「このやり方、ちょっと難しかったね!」
- 「先生の出し方、変えてみるよ!」
実際に変える:
- 課題を小さくする
- 見本を増やす
“子どもへの無言のメッセージ”:
- 困り事は “その人” ではなく “方法” にある

指導者も、試行錯誤していいんです。
指導者自身の “迷い” を言葉にする!
例 ③:正解を持っていない姿を見せる
指導者の言葉:
- 「どっちがいいか、先生もちょっと迷ってる」
- 「一緒に考えてもらっていい?」
大切なポイント:
- 不安を丸ごとぶつけるのではなく
- “考えている途中” として共有する
“子どもが受け取るもの”:
- 完璧じゃなくていい
- 考えながら進んでいい
- 助けを求めてもいい

あなたも、完璧じゃなくていいんです。
“反省” を責めではなく “学び” として見せる!
例 ④:振り返りを声に出す
場面:
授業がうまくいかなかった時の終わりに。
指導者の言葉:
- 「今日の○○は、次は△△にしてみようと思った」
- 「失敗したけど、ヒントが見つかったな」

子どもに聞こえる形でOKです!
“子どもへのメッセージ”:
- 失敗は隠すものではなく、次につながる “材料” !
指導者の迷いや学び続ける姿は、子どもにとって何よりの安心になります。
“変化した大人” をそのまま見せる!
例 ⑤:以前と違う関わり方をする時
指導者の言葉:
- 「前はこう言ってたけど、今はこう思ってる」
- 「先生も考え直したんだ」
“子どもに伝わること”:
- 人は変わっていい
- 考えを更新していい
- 変化は恥では無い
これは “一貫してないと価値がない” という思い込みを壊す、とても大きなメッセージです。
指導者が持っておきたい “内側の合言葉” !
指導者自身が自分に向けて持っていたい言葉です。
- 「落ち着いていなくても、戻ってこれればいい!」
- 「迷っている私は、真剣な証拠!」
- 「正解を出す役ではなく、立ち上がる姿を見せる役!」

それこそ、完璧な指導者である必要はありません。
子どもに自然と届く “最終メッセージ” !
指導者が、間違えて → 気づいて → 言い直して → やり直す。
この一連の姿を見た子どもは、言葉にしなくても、こう学びます。

“失敗しても人は大丈夫 → 関係は続いていく → 自分もまたやり直せる” とね!
子どもと一緒に “安心を作る” ということ
今の私は授業を始める前に、いつも子どもたちに聞きます。
「今日は、どんな気持ち?」
すると、
「晴れたり、曇ったり!」
「眠い!」
「ちょっと楽しみ!?」
返ってくる言葉はさまざまです。でもその一言で、レッスンの空気がやわらかくなります。
安心は、大人が “与える” ものではなく、大人と子どもが一緒に “作っていく” ものです。

それが、今の私の信じる指導です!
子どもの反応に合わせて “空気を更新する” !
例 ①:違和感をその場で言葉にする
指導者:
- 「ちょっと今、空気かたくなってきた?」
- 「一回、深呼吸入れる?」
大切な点:
- うまくいかない空気を誰のせいにもしていない
- 「今、調整しよう!」という共同作業
“子どもに届く感覚”:
- 崩れても、戻せる場がここにはある!

これが、子どもが自分らしくいられる土台になります。
指導者が “完成させないこと” で生まれる安心!
例 ②:完璧な準備をしすぎない
あえて余白を残す:
- 授業計画は立てているが、固定しない
- 子どもの様子で変えることを前提にする
言葉にする:
- 「今日は途中で変えるかもしれない」
- 「合わなかったら、やり直そう」
“子どもに伝わるメッセージ”:
- 場は “生きているもの” で “一緒に育てていいもの” !

軌道修正しながら進むことも、経験として学ぶんです。
課題の “形” を一緒に調整する!
例 ③:やり方を選べるようにする
指導者:
- 「最初は2分だけにする?それとも3分にする?」
- 「投げるのと走るの、どっちからいく?」
ポイント:
- 目標は指導者が持つ
- ペースや入口は一緒に決める
“安心の正体”:

“決められている” では無く “相談しながら進めていく” ことです。
子どもが “場を整える側” になる瞬間!
例 ④:子どもに役割を渡す
指導者:
- 「始める合図、お願いしてもいい?」
- 「今日はどんな雰囲気にしようか?」
“子どもに届く感覚”:
- “受け身” から “参加者” へ変われる

子どもの安心は、”もらうもの” から “作るもの” に、変換出来るんです。
子どもに自然に届くメッセージ!
“課題前の一言” や “迷った時の相談” や “空気を言葉にする姿” など、言葉にしなくても、経験として学びます。
- 安心は誰かが用意するものじゃない!
- 一緒につくっていい!
- ここに、自分の居場所がある!

心地よい空間とは、”創造する” のではなく、”発生する” ものなんですね。
おわりに
「早く並んで!」と強く言ってしまったあの日。
子どもが固まってしまったあの場面が、私の出発点でした。あの日から、私は子どもに教えようとして、実は子どもに教えられ続けてきたのだと思います。
失敗してもいい。焦らなくてもいい。
大切なのは、”もう一度、やってみよう” と思える気持ちです。
これからも、子どもたちと一緒に成長していける指導者でありたい…、そう願っています。
まとめ
- ✅ 失敗の中で “成長の芽” が育ちます
- ✅ 指導者も “子どもと一緒に成長” していきます
- ✅ 結果よりも “安心して挑戦できる空間” をつくること
今シリーズを読んでくださった方へ
この6回の記録は、子どもたちとの小さな出来事から生まれた、私自身の学びの記録でもあります。どの場面も、誰かの現場で起こり得ることですね。
このシリーズが、子どもと関わるすべての大人の方にとって、少しでも “安心のきっかけ” になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
次回は、これまでの掲載6回分を総集編として再構成した、”総集編 子どもと安心を育てる指導” (シリーズまとめ)記事です。


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