『 「もう帰るよ!早くして」が届かないとき 』
〜 よっちゃんの ひとことコラム 〜
スーパーの通路で、
突然立ち止まってしまった男の子がいました。
最初は、
「少し疲れたのかな」くらいに見えました。
でも、
お母さんが手を引いても、男の子は動きません。
「行こう」「もう帰るよ」「ちゃんとして」
声をかけても、
その場に座り込んでしまいました。
周囲の人たちが、少しずつその親子を見る。
お母さんの声にも、だんだん焦りが混ざっていきます。
「なんで急に?」
「さっきまで普通だったでしょ」
きっと、早く帰りたかったと思います。
周りの目も気になったと思います。
でも私は、その男の子を見ながら、
「この子は今、動かないんじゃなく、動けないんだ」
と感じていました。
スーパーの中には、たくさんの刺激があります。
明るい照明。店内放送。人の話し声。
カートの音。におい。色。情報。
私たちが何気なく受け流しているものが、
発達特性のある子どもにとっては、
一気に押し寄せてくることがあります。
頭の中がいっぱいになり、身体が止まってしまう。
それは、「わがまま」ではなく、
“もうこれ以上、がんばれない” というサインなのかもしれません。
でも、その苦しさは、
周囲からは見えにくいことがあります。
だから、
「ちゃんとして」「甘やかしすぎ」「親が困るからやめなさい」
そんな言葉だけが、
親子に向けられてしまうこともあります。
私は、あの日のお母さんもまた、
苦しかったのではないかと思っています。
子どもをなんとか動かそうとしながら、周囲にも気を遣い、
「迷惑をかけてはいけない」と張りつめていた。
本当は、お母さん自身も、
助けてほしかったのかもしれません。
発達特性のある子どもたちは、
「困らせたい」のではなく、
「どうしたらいいか分からない」
状態になっていることがあります。
そして、その隣で頑張っている保護者もまた、
見えない疲れを抱えていることがあります。
私は現場で、
そういう親子に何度も出会ってきました。
だからこそ、”困った行動” として見る前に、
「この子は今、どんな不安を感じているんだろう」
と想像できる大人が、
少しずつ増えていってほしいと思っています。
広告:フリースクール、通信制サポート校も運営をしており、不登校支援、発達障害による学習支援に おいて、専門的な知見を持った対応が可能。


コメント