『 指導者が知っておきたい身体と心の背景 』
〜 見え方がかなり変わる(2)〜
指導の現場に立っていると、次のように感じる子に出会うことがあります。
- ボールがうまく捕れない
- よく人や物にぶつかる
- 説明を聞いても動きが止まってしまう
- みんなと同じ動きが難しい
こうした姿を見ると、つい
- やる気がない
- 運動神経の問題
と思ってしまうこともあります。
👉 しかし実際には、発達特性による背景が関係していることがあります。
発達特性のある子どもが運動を苦手とする背景には、主に 5つの要因 があると言われています。
それは、
- 身体のイメージ(ボディイメージ)
- 協調運動
- ワーキングメモリ
- 感覚処理
- 失敗経験
といった、身体、脳、心理 の複合的な要素です。
これらを理解すると、子どもの行動の見え方は大きく変わります。
👉 “できない子” ではなく、”違う難しさを抱えている子” として見えてくるからです。
実は、発達特性のある子どもには “運動が得意な子” と “とても苦手な子” の両方が存在しています。
この差は、“努力や性格” ではなく、“脳の働き方の違い” から生まれることが多いんです。
そこで今回は、発達特性のある子どもが 『なぜ運動を苦手とするのか?』
その背景にある 5つの理由 をお伝えしたいと思います。
▶︎ 人は、何歳になっても学び直せます。
私は30年以上現場で指導していますが、子どもに対する見方を間違えていた時期がありました。
発達特性のある子が運動を苦手とする理由
身体のイメージがつかみにくい
人は無意識に、
- 自分の腕の長さ
- 足の位置
- 身体の動き
を感じながら動いています。
👉 これを、身体図式 (ボディイメージ) と呼びます。

発達特性のある子の中には、この感覚が弱い子がいるんです。
その結果、
- ボールをうまく捕れない
- 距離感が分からない
- よくぶつかる
といったことが起きるんです。
▶︎ もし今、同じように悩んでいるなら、こちらの記事がきっと参考になります。
協調運動の難しさ

体の複数の動きを同時に調整することを、”協調運動” と言います。
例えば、
- 走りながらボールを見る
- 手と足を別の動きで動かす
- リズムに合わせる
こうした動きが難しい子が存在します。
👉 これは、発達性協調運動症 (DCD) と呼ばれることもあります。
▶︎ 「どう関わればいいのか分からない…」そう感じている方は、こちらを読んでみてください。
ワーキングメモリの負担

運動の指示には実は、かなり多くの情報があります。
例えば、「ボールを持って、コーンを回って、次の人にパス」
👉 この3つの指示を、頭の中で保持しながら動く必要があります。
発達特性のある子は、ワーキングメモリ (情報を一時的に覚える力) が弱い ことがあり、
- 説明を忘れる
- 動きが止まる
- 違う動きをする
ということがあるんです。
▶︎ 子どもへの見え方が大きく変わる内容です。ぜひ一度読んでみてください。
感覚処理の違い
運動には、
- 視覚
- 前庭感覚 (バランス)
- 固有感覚 (身体の位置)
など多くの感覚が関係します。
発達特性のある子は、これらの情報処理が、
- 強すぎたり
- 弱すぎたり
することがあるんです。例えば、
- ブランコが怖い
- 回ると気持ち悪い
- 逆に、回り続ける
といった反応です。
▶︎ 関連する内容として、こちらがおすすめです。
失敗経験の積み重ね
これは心理面になります。
運動が苦手だと、
- 笑われる
- 比べられる
- 怒られる
という経験が増えます。

すると、運動そのものを避けるようになります。
そうすると、さらに運動経験が減って、差が広がるんですね。
▶︎ 関連する内容として、こちらの記事を参考にしてみてください。
ここが指導者 (先生・コーチ) の大きな役割
👉 指導の現場に立つあなたは、この悪循環を断ち切れる存在なのです。

大切なのは、”できる前提で環境をつくること” です。
例えば、
- ボールを大きくする
- 距離を短くする
- 回数を減らす
- 成功率を上げる
👉 そうすることで子どもは、「できた!」という経験を持てるんですね。
実はもう一つ、大事なことがあります

多くの運動指導者が、ある共通の瞬間を経験しています。
それは、この子、急に伸びたという瞬間です。
👉 発達特性のある子は、ある条件がそろうと急激に伸びることがあるんです。
▶︎ 実際の現場で何度も感じてきたことを、こちらの記事にまとめています。
おわりに|重要な視点
運動が苦手に見える子どもたちの姿の裏には、さまざまな理由があります。
- 身体のイメージのつかみにくさ
- 協調運動の難しさ
- ワーキングメモリの負担
- 感覚の感じ方の違い
- これまで積み重なってきた失敗経験
👉 こうした背景が重なると、
子どもはいつの間にか “運動が苦手な子” として見られるようになってしまいます。

けれどそれは、能力の限界ではないんです。
多くの場合、経験の積み方や環境の違いなんです。
- ボールを少し大きくする
- 距離を少し短くする
- 回数を少し減らす
👉 ほんの少し環境が変わるだけで、子どもの表情が変わる瞬間があります。
そして運動の現場では、ときどき指導者が驚くような出来事が起こります。
それは、“この子、急に伸びた” という瞬間です。
今までできなかった動きが、ある日ふと、できるようになる。
👉 発達特性のある子どもには、
ある条件がそろうと、”成長が一気に表れる” ことがあります。
その瞬間に立ち会った多くの指導者は、
「子どもが変わったのではなく、伸びる準備が、ずっと進んでいたんだ」ということに気づきます。

そしてもう一つ、同時に起きている変化があります。
それは、子どもを見る大人 (先生・コーチ) のまなざしの変化です。

「この子、急に伸びた」という瞬間は、
子どもの成長と同時に、大人の見方 (視点) が変わった瞬間なんです。
この続きは、次の記事でさらに深くお伝えします。
次回は、“発達特性のある子が、急に伸びる瞬間” をお話しします。
これは、長く現場にいる指導者ほど「あるある」と感じる話です。
そこには、とても興味深い理由があります。
😊 最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
▶︎ ここまで読んでくださった方には、ぜひ次の記事も読んでいただきたいです。
▶︎ 広告:フリースクール、通信制サポート校も運営をしており、不登校支援、発達障害による学習支援において、専門的な知見を持った対応が可能。

▶︎ 広告:買っても子どもがすぐに飽きてしまっては買うのがもったいない…。










コメント