なぜ発達特性のある子は運動が苦手なのか?指導者が知るべき5つの背景

見え方が変わる

『 指導者が知っておきたい身体と心の背景 』
〜 見え方がかなり変わる(2)〜


指導の現場に立っていると、次のように感じる子に出会うことがあります。

  • ボールがうまく捕れない
  • よく人や物にぶつかる
  • 説明を聞いても動きが止まってしまう
  • みんなと同じ動きが難しい

こうした姿を見ると、つい

  • やる気がない
  • 運動神経の問題

と思ってしまうこともあります。

👉 しかし実際には、発達特性による背景が関係していることがあります。


発達特性のある子どもが運動を苦手とする背景には、主に 5つの要因 があると言われています。

それは、

  • 身体のイメージ(ボディイメージ)
  • 協調運動
  • ワーキングメモリ
  • 感覚処理
  • 失敗経験

といった、身体、脳、心理 の複合的な要素です。


これらを理解すると、子どもの行動の見え方は大きく変わります。
👉 “できない子” ではなく、”違う難しさを抱えている子” として見えてくるからです。

実は、発達特性のある子どもには “運動が得意な子” と “とても苦手な子” の両方が存在しています。
この差は、“努力や性格” ではなく、“脳の働き方の違い” から生まれることが多いんです。

そこで今回は、発達特性のある子どもが 『なぜ運動を苦手とするのか?』
その背景にある 5つの理由 をお伝えしたいと思います。

11〜17分

▶︎ 人は、何歳になっても学び直せます。
 私は30年以上現場で指導していますが、子どもに対する見方を間違えていた時期がありました。


身体のイメージがつかみにくい

人は無意識に、

  • 自分の腕の長さ
  • 足の位置
  • 身体の動き

を感じながら動いています。

👉 これを、身体図式 (ボディイメージ) と呼びます。

よっちゃん
よっちゃん

発達特性のある子の中には、この感覚が弱い子がいるんです。

その結果、

  • ボールをうまく捕れない
  • 距離感が分からない
  • よくぶつかる

といったことが起きるんです。


▶︎ もし今、同じように悩んでいるなら、こちらの記事がきっと参考になります。


協調運動の難しさ

体の複数の動きを同時に調整することを、”協調運動” と言います。

例えば、

  • 走りながらボールを見る
  • 手と足を別の動きで動かす
  • リズムに合わせる

こうした動きが難しい子が存在します。
👉 これは、発達性協調運動症 (DCD) と呼ばれることもあります。


▶︎ 「どう関わればいいのか分からない…」そう感じている方は、こちらを読んでみてください。


ワーキングメモリの負担

運動の指示には実は、かなり多くの情報があります。

例えば、「ボールを持って、コーンを回って、次の人にパス」
👉 この3つの指示を、頭の中で保持しながら動く必要があります。

発達特性のある子は、ワーキングメモリ (情報を一時的に覚える力) が弱い ことがあり、

  • 説明を忘れる
  • 動きが止まる
  • 違う動きをする

ということがあるんです。


▶︎ 子どもへの見え方が大きく変わる内容です。ぜひ一度読んでみてください。


感覚処理の違い

運動には、

  • 視覚
  • 前庭感覚 (バランス)
  • 固有感覚 (身体の位置)

など多くの感覚が関係します。
発達特性のある子は、これらの情報処理が、

  • 強すぎたり
  • 弱すぎたり

することがあるんです。例えば、

  • ブランコが怖い
  • 回ると気持ち悪い
  • 逆に、回り続ける

といった反応です。


▶︎ 関連する内容として、こちらがおすすめです。


失敗経験の積み重ね

これは心理面になります。
運動が苦手だと、

  • 笑われる
  • 比べられる
  • 怒られる

という経験が増えます。

すると、運動そのものを避けるようになります。
そうすると、さらに運動経験が減って、差が広がるんですね。


▶︎ 関連する内容として、こちらの記事を参考にしてみてください。


👉 指導の現場に立つあなたは、この悪循環を断ち切れる存在なのです。

大切なのは、”できる前提で環境をつくること” です。

例えば、

  • ボールを大きくする
  • 距離を短くする
  • 回数を減らす
  • 成功率を上げる

👉 そうすることで子どもは、「できた!」という経験を持てるんですね。


多くの運動指導者が、ある共通の瞬間を経験しています。
それは、この子、急に伸びたという瞬間です。

👉 発達特性のある子は、ある条件がそろうと急激に伸びることがあるんです。


▶︎ 実際の現場で何度も感じてきたことを、こちらの記事にまとめています。


運動が苦手に見える子どもたちの姿の裏には、さまざまな理由があります。

  • 身体のイメージのつかみにくさ
  • 協調運動の難しさ
  • ワーキングメモリの負担
  • 感覚の感じ方の違い
  • これまで積み重なってきた失敗経験

👉 こうした背景が重なると、
  子どもはいつの間にか “運動が苦手な子” として見られるようになってしまいます。

けれどそれは、能力の限界ではないんです。
多くの場合、経験の積み方や環境の違いなんです。

  • ボールを少し大きくする
  • 距離を少し短くする
  • 回数を少し減らす

👉 ほんの少し環境が変わるだけで、子どもの表情が変わる瞬間があります。


そして運動の現場では、ときどき指導者が驚くような出来事が起こります。
それは、“この子、急に伸びた” という瞬間です。

今までできなかった動きが、ある日ふと、できるようになる。

👉 発達特性のある子どもには、
 ある条件がそろうと、”成長が一気に表れる” ことがあります。

その瞬間に立ち会った多くの指導者は、
「子どもが変わったのではなく、伸びる準備が、ずっと進んでいたんだ」ということに気づきます。

そしてもう一つ、同時に起きている変化があります。
それは、子どもを見る大人 (先生・コーチ) のまなざしの変化です。

「この子、急に伸びた」という瞬間は、
子どもの成長と同時に、大人の見方 (視点) が変わった瞬間なんです。


この続きは、次の記事でさらに深くお伝えします。

次回は、“発達特性のある子が、急に伸びる瞬間” をお話しします。
これは、長く現場にいる指導者ほど「あるある」と感じる話です。

そこには、とても興味深い理由があります。


😊 最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。


▶︎ ここまで読んでくださった方には、ぜひ次の記事も読んでいただきたいです。


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