〜 運動指導の見え方がかなり変わる(1)〜
『 学校では “落ち着きがない子”。でも、運動の場では “才能のある子” 』
「落ち着きがない」
「じっとしていられない」
「すぐ動いてしまう」
学校では、そんなふうに注意されることが多い子がいます。
しかし、同じ子が運動の場では驚くほど “生き生き” と動く。
そんな場面を、多くの指導者が経験しています。
実はスポーツの世界では、ADHDの特性を持つ人が多いのではないか?
と以前から言われてきました。
エネルギーの高さ、瞬間的な判断力、好きなことへの強い集中力。
そして、運動そのものが脳を整える働き。
これらの要素が重なることで、学校では困りごととして見られていた特性が、スポーツでは “強み” として現れることがあります。
さらに運動の場は、「出来た!」という経験を通して、子どもの “自己肯定感を取り戻す場所になる” ことがあります。
その時々で、大きな役割を担っているのが “運動指導者の存在” です。
そこで今回は、“なぜスポーツ界にADHD気質の人が多いと言われるのか?” を、研究と現場の経験の両方から、4つの視点で考えていきます。
これをあなたにお伝えすることで、現場の理解がかなり深まると思います。
なぜスポーツ界にはADHD気質の人が多いと言われるのか?

研究や現場の経験から、主に4つの理由が指摘されています。
エネルギーの高さが武器になる!
ADHDの特性の一つに、“多動性(エネルギーの高さ)” があります。
学校では、
- 落ち着きがない
- 座っていられない
- 動き回る
と注意されやすいですが、スポーツではそれが、
- 行動力
- 瞬発力
- 挑戦心
として働きます。

つまり、“欠点とされる特性が、競技では長所になる” のです。
『 注意欠如多動症(ADHD)とは? 』
https://www.yocchanblog.com/adhd/
瞬間判断が強い!
ADHDの人は、
- 反応が速い
- 考えるより先に体が動く
という特徴があります。
これは、
- 球技
- 格闘技
- 瞬発競技
などでは有利に働くことがあります。
もちろん衝動性の調整は必要ですが、“スピード感のある競技では大きな武器” になります。
興味があることには強烈に集中する!
ADHDには、“過集中(ハイパーフォーカス)” と呼ばれる状態があります。
興味のあることには、
- 長時間集中
- 反復練習が苦にならない
- 技術研究を続ける
という特徴が出ることがあります。
そのため、“好きな競技に出会うと急激に伸びる” こともあります。
身体活動で脳が整う!
これは近年かなり研究が進んでいる部分です。
運動をすると脳内で、
- ドーパミン
- ノルアドレナリン
といった物質が増えます。
これらは、“ADHDで不足しやすい神経伝達物質” です。

つまり運動は、“ADHDの脳を整える効果がある” と考えられています。
ここがとても重要な視点
学校では “落ち着きがない子” と見られていた子が、運動の場では “生き生きする” ことがあります。
これは珍しいことではありません。むしろ多くの指導者が経験しています。
運動指導者が持つ特別な役割

実は、運動指導の現場に立つあなたは、“発達特性のある子が、自己肯定感を取り戻す場所” を作れる存在なのです。
学校では、
- 注意される
- 叱られる
- 比較される
ことが多かった子が、
運動の場で「出来た!」を経験すると、その子の人生の流れが変わることもあります。
おわりに
もしかすると、「落ち着きがない」と言われてきた子どもたちは、本当は “動くことで力を発揮する子ども” なのかもしれません。
学校では困りごととして見られていた特性が、運動の場では “強み” として現れることがあります。大切なのは、その子の特性を “抑えることでは無く、活かせる場所に出会うこと”。
運動の場で「出来た!」を経験した時、子どもの表情が変わる瞬間があります。

その時子どもは、ただ運動が出来たのではなく、“自分にも出来ることがある” と感じています。
スポーツは、技術を身につける場であると同時に、子どもが “自分を信じ直す場所” になることがあります。その経験が、その子の人生を支える “小さな自信の種” になることもあります。
そして、その場を作っているのが、日々子どもたちと向き合っている “運動指導者の存在” です。
次回は、“発達特性のある子は、なぜ運動が苦手なことも多いのか” をお話しします。
実はここに、“運動指導者しか気づけない理由” があります。
ここを知ると、指導の見え方がかなり深くなります。


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