“並ぶ”が難しい子の本当の理由|発達特性のある子どもへの関わり方

生きづらさ

〜 ワーキングメモリの視点から 〜


運動指導の現場で、よく見かける場面があります。

  • 列から出てしまう
  • 前の子との間が詰まったり離れたりする
  • 途中で別の方向を向く
  • 何度声をかけても整列が続かない
よっちゃん
よっちゃん

そのとき私たちはつい、次のような声をかけてしまいます。

  • 「ちゃんと並んで!」
  • 「前を見て!」
  • 「もう何回言えば分かるの!」

しかし、この “並ぶ” という行動は、
実は子どもにとって、かなり複雑な認知活動なんです。

👉 そしてそこに深く関わっているのが “ワーキングメモリ” なんです。

8〜11分

▶︎ 人は、何歳になっても学び直せます。
 私は30年以上現場で指導していますが、子どもに対する見方を間違えていた時期がありました。


子どもは並んでいる間、同時に多くの情報を処理しています。

例えば、

  • 自分の立つ位置
  • 前の子との距離
  • 後ろの子の存在
  • 先生の指示
  • 周囲の音や動き
  • 次に何が始まるのか

👉 つまり “並ぶことは立つだけ” ではなく、
  複数の情報を同時に保持し続ける作業なのです。

これはまさに、ワーキングメモリの働きです。


▶︎ もしよければ、こちらの記事も参考にしてみてください。


ワーキングメモリの容量には個人差があります。
容量が小さい場合、並ぶ場面では次のようなことが起こりやすくなります。


前の子との距離を覚え続けられない

少し時間が経つと “どれくらい離れていたか” が、頭の中から消えてしまうんです。

👉 すると、

  • 近づきすぎる
  • 離れすぎる

という状態になります。


指示を保持できない

先生が、「前にならえ」と言ったとします。
しかし数秒後には、その “言葉の記憶が消える” ことがあるんです。

👉 すると、

  • 腕を下ろす
  • 横を見る
  • 動き出す

ということが起きます。


待っている間に目的を忘れる

並ぶ時間が長いほど “何のために並んでいるのか” が、消えてしまうんです。

👉 その結果、

  • 列を離れる
  • しゃべり出す
  • 別の遊びを始める

という行動が出ます。


“並べない子” ではなく “情報を保持し続けるのが難しい子”

ここで大切なのは、”態度の問題” として見ないことです。

👉 その子は “並びたくない” のではなく、
  “並び続けるための情報を保持できない” 可能性があります。


▶︎ 関連する内容として、こちらもおすすめです。


位置を見えるようにする

ワーキングメモリは、”外に出す” と楽になります。

👉 例えば、

  • 足形マークを置く
  • カラーテープを貼る
  • フープに入る

“ここに立つ” が見えると、覚え続ける必要がなくなるんです。


並ぶ時間を短くする

並ぶ時間が長いほど、”ワーキングメモリは消耗” してしまいます。

👉 可能なら、

  • 説明を短くする
  • すぐに実践する
  • 小グループに分けて行動する

と効果があります。


距離を身体で覚えさせる

言葉よりも体感です。

👉 例えば、「手を伸ばして前の子の肩に届かないくらい」

身体感覚にすると、”記憶の負担” が減ります。


並び方を一度 “体験”させる

説明よりも、一度やってみる。

👉 これだけで理解が大きく変わります。


▶︎ 関連する内容として、こちらもおすすめです。


子どもが列から離れたとき、それは、

  • ルールが守れない
  • 落ち着きがない

のではなく、“頭の中の作業机がいっぱい” なんです。

👉 そして、そう考えると指導の言葉が少し変わります。
「ちゃんと並んで」ではなく、「ここに立つと分かりやすいね」。

並ぶことは単純な行動のように見えて、
実は、認知の力と環境の支えで成り立っている行動なんです。

👉 子どもが並べないとき、それは
“できない子” なのではなく、私たちがまだ “支え方を見つけていない子” なんです。


😊 最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。


▶︎ もしよければ、こちらの記事も参考にしてみてください。


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