〜 よっちゃんの ひとことコラム 〜
『 怒鳴らなくても、指導はできる 』
指導現場に立つと、思うようにいかないことばかりです。
列は乱れる。
話は聞いてもらえない。
ふざける子が出ると、空気が崩れる。
経験の浅い頃の私は、”指導者らしくしなければ” と思うほど、声が強くなっていました。
静かにさせること。
揃えさせること。
やらせること。
それが “指導力” だと信じていたからです。
でもあるとき、気づきました。
強い声で動いた子どもは、”理解して動いた” のではなく、”止められて動いた” だけかもしれない、と。
『 最初にやってみたのは、たった一つ 』
私は特別な方法を学んだわけではありません。
最初にやってみたのは、声のトーンを下げること。
ざわつく教室で、深呼吸をひとつ。
そして低めの声で、「準備できた人から、こっちで待っててね」
それだけでした。
不思議なことに、怒鳴ったときよりも、空気が荒れなかったのです。
全員が完璧に動いたわけではありません。
でも、関係は崩れなかった。
そこで初めて分かりました。
安心は、技術ではなく、空気で伝わります。
『 うまくいかなかった日もある 』
もちろん、毎回うまくいくわけではありません。
「優しく言ったのに伝わらない」そう思って、また強く言ってしまう日もあります。
ある日、落ち着いてから子どもに聞きました。
「さっきの先生の言い方、どうだった?」
すると、こう返ってきました。
「ちょっとこわかった。でも、すぐやさしくなったから大丈夫だった」
私は救われました。
完璧でなくてもいい。
戻れる指導者であればいい。
若い頃の私は、”失敗しない指導” を目指していました。
でも今は違います。
“関係を修復できる指導” の方が、ずっと大事だと思っています。
『 「出来た」より、「落ち着いて出来た」 』
成功させることよりも、
- 自分で気持ちを整えられたか
- もう一度並び直せたか
- 悔しくても投げ出さなかったか
そこを見るようになりました。
失敗のあと、深呼吸をして戻ってきた子に、「今の、いいね」
そう声をかけると、照れながら、もう一度挑戦します。
育っているのは、”技術だけ” ではありません。
“安心の中で挑戦する力” です。
『 指導・支援に悩む、若い(経験の浅い)先生やコーチの方へ 』
“うまく出来なくていい”
“声が強くなってしまう日があってもいい”
大切なのは、気づいたあと、もう一度やってみること。
怒鳴らなくても伝わる瞬間は、必ず訪れます。
その小さな経験が、あなた自身の指導を変えていきます。
指導とは、動きを整える仕事ではなく、安心の土台をつくる仕事なのかもしれません。
焦らなくて大丈夫です。
まずは、声のトーンをひとつ下げることから。
それだけで、現場は少し変わります。


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