第2期 第5回 コラム記事

ひとことコラム

『 教える より 待つ 』
〜 よっちゃんの ひとことコラム 〜


若い頃の私は、うまく回すこと が指導だと思っていました。

  • トラブルが起きたらすぐ止める
  • 間違いはすぐ正す
  • 困っている子はすぐ助ける

でも、ある日気づきました。

それは 整えている だけで、育てて はいなかったんだ、と。


順番を抜かした子に「ズルい!」と声が上がる。
空気が張りつめる。

以前なら すぐに介入 していました。
でも少し待ったとき、隣の子が言いました。

「早くやりたかったんじゃない?」
その一言で、当事者がうなずき、「ごめん」とつぶやく。

私はそこで学びました。
子ども同士にも、理解し合う力 があるということを。

心理学者 Lev Vygotsky は、発達は他者との関わりの中で起きる と述べました。
大人が答えを出す前に、子どもは関係の中で学ぼうとしているのです。


  • つい教えたくなる
  • つい正したくなる

でも待つと、

  • 自分で考える
  • 仲間と調整する
  • 自分の言葉で謝る

そんな姿が見えてきます。

Edward Deci の理論では、人は自律性が守られるときに最も成長する と述べています。

待つ ことは、放任 ではありません。信じる ことです。


特性のある子(例:自閉スペクトラム症)に対して、
「やってあげる!」という優しさが向けられることがあります。

その気持ちは尊い。

でも私はこう言います。
「ありがとう。でも本人に聞いてみようか」

助けるだけだと、上下 が生まれることがあります。
支え合うと、横並び になります。


転んだ子に「大丈夫?」と手が伸びる。
順番が苦手な子に「一緒にやろう」と声がかかる。

これは偶然ではありません。
指導者が、

  • 待ち
  • 尊重し
  • 修復を信じてきた

その積み重ねが、教室の空気 になります。

あたたかさは教えるものではない。みんなで育てるものなんです。


『 指導・支援に悩む、若い(経験の浅い)先生や保護者の方へ 』

うまく回そうとしなくていい。

  • すぐに正さなくていい
  • すぐに助けなくていい
  • すぐに答えを出さなくていい

まずは、子ども同士の力を信じて、少しだけ待つこと。

指導とは、行動を管理 することではなく、関係が育つ時間を守ること なんです。


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